ゴミ収集車の運転手として働くことを考えたとき、真っ先に気になるのは給料や年収の実態ではないでしょうか。地域の暮らしを支える仕事である一方、収入面の情報は求人票だけでは分かりにくい部分も多くあります。
本記事では、求人サイトの集計データや公的な統計をもとに、ゴミ収集車の給料相場を、公務員と民間企業の違い、一般廃棄物と産業廃棄物の違い、地域差という三つの切り口から整理します。あわせて、年収を伸ばすための具体的な方法や、求人を比較する際に確認しておきたいポイントも紹介します。
ゴミ収集車の給料はいくらなのか、平均年収から見る実態
ゴミ収集車の仕事に応募する前に、まずは全体の給与水準を把握しておくことが大切です。求人サイトの集計データと公的な統計、それぞれの数字を照らし合わせることで、より実態に近い相場感がつかめます。
求人ボックス給料ナビが示す全国平均
求人情報サイト「求人ボックス 給料ナビ」によると、ごみ収集の仕事の平均年収は391万円、平均時給は1,229円と示されています。正社員の給料分布を見ると、383万円から428万円の水準に人数が集中しており、全体としては293万円から653万円までと幅広い分布になっています。
この数字は掲載求人の実績を集計したものであるため、実際に募集されている条件に近い数字として参考にしやすいでしょう。
給与分布の幅の広さが物語ること
293万円から653万円という幅の広さは、雇用形態や地域、扱う廃棄物の種類によって条件が大きく変わることを示しています。同じ「ゴミ収集車の仕事」という括りでも、公務員として働くのか民間企業に所属するのかで、年収は数百万円単位で変わってくるため、次章以降で詳しく見ていきます。
公務員と民間企業で年収はどれだけ違うのか

ゴミ収集車の仕事における最大の年収格差は、公務員として働くか民間企業に所属するかという雇用形態の違いから生まれます。それぞれの給与水準を具体的に見ていきましょう。
公務員のごみ収集員の給与水準
自治体に採用される公務員のごみ収集員は、月給がおよそ40万円、年収では650万円前後に達するとされています。地方公務員としての給与体系にもとづき、勤続年数に応じた昇給や賞与、各種手当が安定して支給される点が特徴です。ただし公務員採用は自治体ごとの募集枠が限られており、競争率が高くなりやすいという事情もあります。
民間企業の給与水準とその内訳
一方、民間企業に所属するごみ収集員の年収はおよそ350万円で、公務員と比べると300万円ほど低い水準になります。ただし民間企業は基本給に加えて皆勤手当や無事故手当、夜勤手当などを設定しているケースも多く、手当の組み合わせ次第では基本給以上に収入が積み上がることもあります。求人票を見る際は、基本給だけでなく手当の内訳まで確認することが欠かせません。
なぜこれほど差が生まれるのか
公務員と民間でこれほどの差が生まれる背景には、公務員の給与が地方公務員全体の給与表にもとづいて決まる一方、民間企業は業績や地域の労働需給に応じて給与を設定するという構造の違いがあります。清掃業務のほかに窓口対応など他の業務を兼務する自治体もあり、業務範囲の広さが給与に反映されている面もあるでしょう。
一般廃棄物と産業廃棄物で給料に差が出る理由
ゴミ収集車の仕事は、扱う廃棄物の種類によっても収入が変わります。家庭から出る一般廃棄物を回収するのか、工場や事業所から出る産業廃棄物を回収するのかで、必要な資格や作業内容、そして給料の水準が異なってきます。
産業廃棄物運搬作業員の収入
ハローワーク求人の平均を見ると、産業廃棄物運搬作業員の月額はおよそ23.5万円とされています。産業廃棄物は取り扱いに専門知識や許可が必要になるケースが多く、その分だけ給与水準がやや高めに設定される傾向があります。
一般廃棄物収集との比較
一般的なゴミ収集作業員の月額はおよそ21.9万円で、産業廃棄物運搬作業員と比べると月1.6万円ほど低く、年収に換算するとおよそ19万円の差になります。大きな差ではないものの、将来的に収入を伸ばしたい場合は、産業廃棄物を扱う会社への転職や、関連する資格の取得も選択肢の一つになるでしょう。
地域によって給料はどう変わるのか

同じゴミ収集車の仕事でも、勤務地によって給料には差があります。人口が多く求人需要の高い都市部と、地方とでは、どのような違いがあるのでしょうか。
都市部の給与水準
例えば東京都のゴミ収集車作業員の平均年収はおよそ439万円とされています。人口密度が高く収集量も多い都市部では、業務量に応じて求人条件が引き上げられやすく、地方に比べて給与水準が高めに出る傾向があります。
地方の給与水準
一方、鹿児島県では平均年収がおよそ378万円となっており、東京都と比べると60万円ほどの差があります。地方では業務量や求人競争の度合いが都市部と異なるため、給与相場もそれに応じた水準に落ち着きやすいといえます。
地域差が生まれる背景
地域差の背景には、自治体の財政規模や委託先企業の数、そして地域ごとの最低賃金の違いなどが関係しています。転職や就職を検討する際は、居住地だけでなく通勤圏を広げて求人を比較すると、より条件の良い職場が見つかる可能性があります。
ゴミ収集車の仕事で年収を上げる方法
ここまでの給与水準を踏まえたうえで、実際に年収を伸ばすにはどのような方法があるのでしょうか。ここでは代表的な四つのアプローチを紹介します。
上位免許を取得する
中型免許や大型免許を取得すると、扱える車両の幅が広がり、手当の対象になったり、より条件の良い求人に応募できるようになったりします。免許取得支援制度を設けている企業も少なくないため、入社後に取得を目指すという進め方も現実的な選択肢です。
夜勤や早朝勤務の手当を活用する
ゴミ収集の業務は早朝から始まることが多く、企業によっては夜勤や早朝勤務に対して手当を設定しています。勤務時間帯によって収入に差が出やすいため、求人票の勤務時間と手当の記載をあわせて確認しておくと、実際の手取り額をイメージしやすくなります。
公務員採用を目指す
先述の通り、公務員は民間企業より年収水準が高い傾向にあります。公務員採用試験には一般教養や体力測定などが課されることが多く、狭き門ではあるものの、長期的な安定を重視するのであれば検討する価値のある進路です。
民間企業でキャリアを積む
民間企業であっても、勤続年数を重ねて班長や管理職といったポジションに就くことで、収入を引き上げられる場合があります。産業廃棄物を扱う会社や、規模の大きい運送・廃棄物処理会社に転職することも、年収アップの選択肢の一つです。
ゴミ収集車の仕事に向いている人と求められる適性
給料の話とあわせて、この仕事にどのような適性が求められるのかも押さえておきましょう。
体力面での適性
ゴミ収集の仕事は、重量のあるゴミ袋を持ち上げたり、収集車の乗り降りを繰り返したりするため、一定の体力が求められます。夏場は炎天下での作業になることも多く、こまめな水分補給や休憩を意識できる体調管理能力も欠かせません。
対人・地域対応の適性
収集ルート上では、地域住民からの問い合わせや、分別ルールに関する相談を受けることもあります。丁寧な対応ができる人ほど地域からの信頼を得やすく、結果として働きやすい環境につながっていきます。
求人を見極めるためのチェックポイント
実際に求人を比較する際は、提示された金額だけで判断せず、いくつかの項目をあわせて確認することをおすすめします。
- 基本給と手当の内訳が明記されているか
- 賞与の有無と支給実績
- 勤務時間と休日日数の実態
- 使用する車両の種類(一般廃棄物用か産業廃棄物用か)
月給表示の見方
求人票に記載された月給が、固定残業代を含んだ金額なのか、基本給のみの金額なのかによって、実際の手取りは大きく変わります。面接時には遠慮せず、内訳について具体的に質問しておくと安心です。
勤務時間と休日の実態を確認する
早朝勤務が中心の仕事であるため、始業時刻や終業時刻、休日の取得しやすさも重要な確認事項です。求人票の記載だけでなく、可能であれば面接時に実際の勤務スケジュールを尋ねておくと、入社後のミスマッチを防げます。
運送・ドライバー職としてのキャリアを広く検討するなら
ゴミ収集車の仕事は、中型・大型車両を扱うドライバー職の一つでもあります。将来的に一般貨物のドライバーや、より条件の良い運送会社への転職を視野に入れているなら、運送業界全体の動向を知っておくことも役立ちます。
運送業界に特化した情報発信を行う「ハコブログ」では、運送会社の実態や業界の課題、ドライバーを取り巻く労働環境について取り上げています。運送会社と荷主企業の直接契約を後押しするサービス「ハコプロ」を運営する株式会社LIGOが手がけるメディアで、掲載運送会社数6万件、営業所数8.5万件という規模のデータベースを背景に、業界の情報を発信しています。ゴミ収集車のドライバーとしての経験を活かして、より幅広い運送業界でのキャリアを検討したい方は、あわせてチェックしてみてはいかがでしょうか。


