「軽トラは1トンまで積める」という話を耳にしたことがある方は多いのではないでしょうか。ホームセンターの資材や引っ越しの荷物を軽トラックいっぱいに積み込んでいる様子を見かけると、そのくらいの重さは平気なのだろうと感じてしまいます。ですが、道路運送車両の保安基準で定められた軽トラックの最大積載量は350kgであり、1トンという数字とは大きな開きがあります。本記事では軽トラの積載量の実態と1トントラックとの違い、過積載のリスク、車両選びで迷ったときの考え方までを整理して解説します。
軽トラの積載量は本当に1トンなのか
まずは「軽トラ 1トン 積載」という検索の背景にある疑問、つまり軽トラックが実際にどれだけの荷物を積めるのかを確認しておきましょう。数字の根拠を知っておくと、この後の章で紹介する1トントラックとの比較や車両選びの判断がしやすくなります。
軽トラックの最大積載量は350kg
軽トラックを含む軽貨物自動車の最大積載量は、道路運送車両の保安基準によって350kgと定められています。車種やメーカーが違っても、軽自動車規格の貨物車であれば数値は変わりません。この数字は車検証の「最大積載量」欄にも明記されており、荷物だけの重量を指す点がポイントです。運転手や同乗者の体重は含まれないため、荷台に載せられるのはあくまで荷物350kg分と考える必要があります。グーネットの解説でも同様の基準が紹介されています。
「軽トラに1トン積んでいる」現場の実態
農作業や建設現場では、軽トラックの荷台に見るからに1トン近い資材が積まれている光景を目にすることがあります。こうした現場では、道が狭く大型車が入れない、往復の回数を減らしたいといった事情から、規定を超える量を積んでしまっているケースが少なくありません。悪気なく「今までも問題なかったから」という感覚で続けられていることも多いのですが、これは明確な過積載であり、後述する罰則の対象になります。
乗車人数や荷姿による積載可能重量の変化
最大積載量は乗車定員をもとに算出されているため、同乗者が増えるほど積める荷物の重量は理論上減っていきます。また、荷物の重心が高い、あるいは片側に偏っているといった荷姿の問題は、重量が規定内であっても走行の安定性を損なう原因になります。数字だけでなく、荷物の置き方まで含めて積載量を管理する意識が求められます。
軽トラと1トントラックはどこが違うのか
それなら最初から1トントラックを使えばいいのでは、と考える方も多いでしょう。ここでは軽トラックと1トントラックを、サイズ・積載量・免許・維持費という4つの観点で比較します。
車両サイズと荷台寸法の違い
軽トラックは全長3.4m前後、全幅1.48m以内という軽自動車規格に収まる寸法が特徴で、狭い道や小さな駐車スペースでも扱いやすいというメリットがあります。一方、1トントラックは車体・荷台ともに一回り大きく、荷台の長さや幅に余裕があるぶん、長尺の資材やかさばる荷物も積みやすくなります。取り回しのしやすさを取るか、荷台の広さを取るかは、日々の作業内容によって答えが変わってくるはずです。
積載量と車両総重量の違い
軽トラックの最大積載量が350kgであるのに対し、1トントラックは車種によって差はあるものの、1000kg前後まで積載できるモデルが一般的です。車両総重量も1トントラックの方が大きく、重量物や資材をまとめて運びたい場合には積載量の差がそのまま作業効率の差になります。ただし積載量が大きい分、車両価格や維持費も上がる点は踏まえておく必要があるでしょう。
運転免許の違い
軽トラックは軽自動車の区分で運転できるため、普通自動車免許を持っていれば問題なく扱えます。1トントラックについても、車両総重量3.5トン未満・最大積載量2トン未満のモデルであれば普通免許で運転可能です。2017年以降に免許を取得した方は準中型免許の区分が関わってくるため、購入前に自分の免許でその車両を運転できるかどうかを必ず確認しておきましょう。
維持費・税金・燃費の違い
軽自動車である軽トラックは、自動車税や車検費用が1トントラックに比べて抑えられる傾向にあります。燃費についても軽トラックの方が有利になりやすく、日常的な近距離配送では経済的です。1トントラックは車両価格・維持費ともに高くなりますが、一度に運べる量が多いぶん走行回数を減らせるという形でコストを相殺できる場合もあります。台数と積載量のどちらを優先するかで、最適な選択は変わってきます。
過積載がまねくリスクと罰則
積載量の違いを理解したところで、次は超過してしまった場合にどのようなリスクがあるのかを確認しておきましょう。知らなかったでは済まされない罰則が定められています。
超過率に応じた反則金と違反点数
過積載の罰則は、1kgでも最大積載量を超えた時点から適用されます。軽トラックの場合、351kgから700kg未満の超過で違反点数1点・反則金6,000円、700kgから2,100kg未満で違反点数2点・反則金9,000円、2,100kg以上になると違反点数3点・反則金12,000円が科されます。トラック王国ジャーナルの解説でも超過率に応じた段階的な処分が紹介されており、荷物を積み上げるほど処分が重くなる仕組みになっています。
事業者・荷主にも責任が及ぶケース
過積載の責任を負うのは運転者だけとは限りません。事業者や荷主が過積載を承知のうえでドライバーに指示していたと判断された場合、6ヶ月以下の懲役または10万円以下の罰金が科される可能性があります。個人事業主として荷物を運んでいる場合でも、依頼主とのやり取りの中で多めに積んでほしいと求められることがあるため、自分の身を守るためにも積載量の上限をあらかじめ明確に伝えておくことが望ましいでしょう。
制限外積載許可申請という選択肢
どうしても規定を超える荷物を一度に運ぶ必要がある場合は、最寄りの警察署に「制限外積載許可申請」を提出するという方法があります。許可を得られれば、決められた条件のもとで最大積載量を超えた運搬が認められます。恒常的に荷物が多いのであれば、都度申請するよりも車両そのものを見直した方が現実的かもしれません。
軽トラから1トントラックへの切り替えを検討すべきタイミング
ここまでの内容を踏まえると、軽トラック一台では厳しくなってきたと感じる場面が具体的に見えてきたのではないでしょうか。切り替えを考えるべきサインを整理します。
荷物の量や頻度が増えてきたサイン
一回の運搬で積みきれず往復が増えた、荷台に乗せた荷物が明らかにあふれている、こうした状態が続いているなら、それは軽トラックの限界を超えつつあるサインです。往復回数が増えると燃料費や作業時間もかさむため、1トントラックへの切り替えによって積載量に余裕を持たせた方が、結果的に効率化につながるケースは少なくありません。
普通免許で乗れる1トントラックという選択肢
前述のとおり、条件を満たす1トントラックは普通免許で運転できます。免許を取り直す必要がないという点は、切り替えを検討するうえで大きな安心材料になるはずです。試乗や商談の際には、自分の持っている免許区分でその車両が運転できるかを販売店に必ず確認してください。
買い替え前に確認しておきたいポイント
車両価格や維持費だけでなく、駐車スペースの広さ、日常的に走る道の幅、荷台に載せる荷物の種類まで含めて検討すると失敗が少なくなります。特に住宅街や山間部など道が狭いエリアで作業することが多い場合は、積載量が増えても取り回しに苦労してしまうと本末転倒です。実際の作業ルートを想定したうえで判断することをおすすめします。
積載量の壁にぶつかったら運送のプロに頼るという選択肢
車両を買い替える以外にも、選択肢はあります。自社で運びきれない荷物が出てきたときに、外部の運送会社と手を組むという発想です。
自社の車両だけで無理に抱え込まない
荷物の量が増えるたびに車両を大きくしていくと、稼働率の低い日には維持費だけがかさんでしまいます。繁忙期だけ荷物が集中するような業態であれば、車両を増やすよりも、必要なときだけ協力してもらえる運送会社を見つけておく方が無理のない体制を作れるでしょう。
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