「二種免許廃止」という言葉で検索してこのページにたどり着いた方の多くは、タクシーやバスの運転に必要な二種免許そのものがなくなってしまうのか、それとも取得条件が変わっただけなのか、という疑問を抱えているのではないでしょうか。
結論から述べると、二種免許という資格制度自体が廃止された事実はありません。ただし2022年に受験資格の一部が特例として緩和されており、この変化が「廃止」という強い言葉とともに広まった可能性があります。本記事では、なぜこの言葉が検索されるようになったのか、実際にどのような制度変更があったのか、そして二種免許を取り巻く業界の状況を整理して解説します。
二種免許は廃止されていない、制度の現状を整理する

まず押さえておきたいのは、二種免許という資格制度そのものは現在も存続しているという事実です。道路交通法上、旅客を有償で運送する自動車を運転するには、一種免許とは別に二種免許の取得が義務づけられています。この基本的な枠組みに変更はありません。
二種免許とは何を指す資格か
二種免許は、タクシーやハイヤー、路線バス、貸切バスなど、乗客を乗せて料金を受け取る形で運転する場合に必要な運転免許です。運転する車両の大きさや用途によって、取得すべき区分が分かれています。
- 普通二種免許(タクシー・ハイヤーなど)
- 中型二種免許(マイクロバスなど)
- 大型二種免許(路線バス・観光バスなど)
- 大型特殊二種免許・けん引二種免許(特殊な用途向け)
このうち最も取得者が多いのは、タクシー運転手を目指す人が取得する普通二種免許だと言われています。
一種免許との違いはどこにあるのか
一種免許との最大の違いは、乗客の安全に対する責任の重さにあります。二種免許の技能試験では、一種免許にはない項目が加わります。乗客を乗せた状態を想定した進路変更への対応や、乗降時の安全確認、狭い道でのすれ違いなど、旅客運送ならではの技術が問われる点が特徴です。学科試験でも、旅客自動車運送事業に関する法令知識が出題される点が一種免許と異なります。
なぜ「廃止」と噂されたのか、二種免許の要件緩和の中身

二種免許の廃止という言葉が広まった背景には、2022年に実施された受験資格の緩和があります。この緩和幅がこれまでになく大きかったため、制度そのものが撤廃されたかのような印象を与えたと考えられます。
2022年5月の受験資格緩和の内容
警察庁「第二種免許等の受験資格の見直しについて」によると、2022年5月13日に施行された改正道路交通法によって、二種免許を含む上位免許の受験資格に特例が設けられました。従来、二種免許を受験するには21歳以上で、普通免許等の保有期間が通算3年以上である必要がありましたが、改正後は「受験資格特例教習」を修了することで、19歳以上、保有期間通算1年以上でも受験できるようになっています。
この特例教習には、年齢要件のみが不足している場合の年齢課程、運転経験のみが不足している場合の経験課程、両方が不足している場合の年齢・経験課程という3つの区分があり、不足している条件に応じて必要な時限数が変わる仕組みです。誰でも無条件に19歳から取得できるわけではなく、追加の教習を受けたうえで初めて受験資格を得られるという点は誤解されやすいところかもしれません。
加えて、特例を利用して21歳未満で二種免許を取得した場合、本来の受験資格年齢である21歳に達するまでの期間は「若年運転者期間」として扱われます。この期間中に一定の違反を重ねると、再教育や免許の取消しといった措置が課される仕組みになっており、緩和は歓迎すべき変化である一方、取得後も相応の緊張感を持って運転する必要がある制度だと言えるでしょう。
緩和の背景にあるタクシー・バス運転手不足
この緩和の背景には、タクシー業界とバス業界が抱える運転手不足があります。旅客自動車運送事業の担い手は高齢化が進んでおり、若手の入職が長年の課題とされてきました。若い世代が資格を取得しやすい環境を整えることで新規参入者を増やし、地域の公共交通を維持しようという政策的な狙いがあると見てよさそうです。
二種免許取得にかかる費用と期間の目安

廃止されるどころか、むしろ取得のハードルが下がった二種免許ですが、実際に取得するとなると費用と期間がどの程度かかるのかは気になるところでしょう。
教習所を利用する場合の費用相場
指定自動車教習所で普通二種免許を取得する場合、すでに普通免許を持っている状態であれば、費用の目安はおよそ15万円から25万円程度です。保有している免許の種類や教習所の立地、合宿か通学かによって金額に幅が出ます。タクシー会社によっては、入社を前提に教習費用の一部または全額を負担する制度を用意しているケースもあるため、就職活動と合わせて確認しておくと負担を抑えやすくなります。
運転免許試験場での一発試験という選択肢
教習所に通わず、運転免許試験場で直接技能試験を受ける、いわゆる一発試験という方法も存在します。費用を数万円程度に抑えられる一方、合格率は決して高くありません。旅客運送を前提とした細かい採点基準をあらかじめ理解していないと不合格を繰り返すことも珍しくないため、費用だけで判断せず、自身の運転経験や学習に充てられる時間も含めて検討することをおすすめします。
取得までにかかる期間の目安
教習所を利用する場合、所持している免許の種類にもよりますが、通学であれば2週間から1ヶ月程度、合宿であれば1週間から10日程度で卒業できるケースが一般的です。もっとも、教習所の予約状況や本人の技能習得の進み具合によって前後するため、あくまで目安として捉えておくとよいでしょう。
二種免許を持つことで広がる働き方の選択肢
二種免許は取得のハードルが下がった一方で、資格そのものの価値が下がったわけではありません。むしろ旅客運送のドライバー不足が続くいまだからこそ、二種免許保有者を求める職場は増える傾向にあります。
タクシー・バス運転手としてのキャリア
二種免許を取得した最も一般的な進路は、タクシーやバスの運転手です。歩合給の比率が高いタクシー業界では、地理や接客のスキルを磨くことで収入を伸ばしやすい一方、バス業界は比較的安定した給与体系を敷いている会社が多いという傾向が見られます。どちらの業界を選ぶかは、収入の安定性を重視するか、自分のペースで収益を積み上げたいかという働き方の志向によって変わってくるはずです。
送迎・代行運転など運送業界周辺の仕事
二種免許は、企業の役員送迎や福祉車両による送迎、運転代行業など、タクシー・バス以外の分野でも活用できます。運送業界に目を向けても、荷主企業への訪問を伴う営業ドライバーや、社員送迎バスの運転を担う人材として二種免許保有者を歓迎する求人は少なくありません。旅客運送の資格を持っていることは、それだけ丁寧で安全な運転が身についている証明として評価されやすい面があります。
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二種免許を取得したあと、あるいはこれから取得を検討している段階で気になるのが、実際にどのような職場が自分に合っているかという点でしょう。
求人票だけでは見えない職場の実態を知る重要性
旅客運送・運送業界は、会社によって給与体系や勤務シフト、教育体制に大きな差があります。求人票の条件だけを見て転職先を決めてしまうと、入社後に働き方のイメージが違ったという声が上がりやすい業界でもあります。実際に働いているドライバーの声や、会社の姿勢が伝わる情報にあたることが、ミスマッチを避ける近道になるはずです。
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運送会社の側から見ても、下請け構造に頼らず、ドライバーの顔が見える形で採用活動を進められる点は、担い手不足が続く業界において意味のある取り組みといえます。二種免許の取得を検討している方も、取得後のキャリアを模索している方も、まずはハコブログやハコプロを情報収集の入り口として活用し、自分に合った働き方を見つける相談先として役立ててみてください。


