引っ越しや転勤、遠方での中古車購入、旅行先での利用など、車を自分で運転せずに別の場所まで届けたい場面は意外と多くあります。そうした時に頼りになるのが陸送です。ただ、陸送という言葉自体は耳にしたことがあっても、輸送や配送とどう違うのか、料金がどのくらいかかるのかは意外と知られていません。この記事では、陸送の基本的な意味から方法の種類、距離別の料金相場、費用を抑える工夫、信頼できる業者の選び方までを順を追って解説します。
陸送とは何を指す言葉か

陸送とは、自動車を陸路で目的地まで運ぶことを指す言葉です。トラックやキャリアカーに載せて運ぶ方法だけでなく、ドライバーが実際に運転して届ける方法も陸送に含まれます。
混同されやすい言葉に輸送や配送がありますが、陸送は移動手段が陸路である点に焦点を当てた呼び方です。海路や空路を使う輸送は含まれず、あくまで道路を使って車両そのものを運ぶ行為を指します。
陸送と輸送・配送との違い
輸送は海路や空路も含む広い概念で、荷物や車両を場所から場所へ動かすこと全般を指します。配送は主に荷物を届けるニュアンスが強く、個人宛ての小口の運送で使われることが多い言葉です。陸送はその中でも、自動車という特殊な貨物を陸路で運ぶケースに絞った呼び方だと考えると整理しやすくなります。
陸送が必要になる主な場面
陸送が利用される場面は、思っている以上に幅広くあります。
- 引っ越しや転勤で車を新居まで運ぶ場合
- 遠方の販売店やオークションで購入した車を自宅まで届ける場合
- 車検切れや事故によって自走できない車を修理工場まで運ぶ場合
- 旅行や出張の際に、現地まで車を先回りさせておきたい場合
このように、陸送は自動車の購入時だけでなく、生活の節目や不測の事態でも活用される手段です。
陸送にはどのような方法があるか
陸送と一口に言っても、実際の運び方にはいくつかの種類があります。依頼する車の状態や距離、予算によって適した方法が変わるため、それぞれの特徴を押さえておくと業者とのやり取りがスムーズになります。
自走陸送(ドライバーが運転して届ける方法)
自走陸送は、陸送会社のドライバーが実際に車を運転して目的地まで届ける方法です。積み込みや積み下ろしの手間がかからず、比較的短い日数で届けられる点が特徴です。
一方で、走行距離が加算される分だけ中古車としての価値がわずかに下がる可能性があります。エンジンがかからない不動車には利用できない点にも注意が必要です。
積載陸送(キャリアカーに載せて運ぶ方法)
積載陸送は、車をキャリアカーと呼ばれる専用車両に載せて運ぶ方法です。走行距離が増えないため車の価値を保ちやすく、事故車や不動車、車検切れの車にも対応できるケースが多くあります。
ただし、キャリアカーの手配や積み込み作業が必要になる分、自走陸送に比べて日数がかかりやすい傾向があります。急ぎの依頼では方法の選択自体が納期を左右することも珍しくありません。
混載便とチャーター便の違い
積載陸送はさらに、複数台をまとめて運ぶ混載便と、一台のためにキャリアカーを貸し切るチャーター便に分かれます。混載便は他の車と同じ便に相乗りする形になるため、料金は抑えやすくなります。
その代わり、他の車両の積み下ろしに付き合う形になり、到着までの日数が読みにくくなることがあります。急ぎで届けたい場合はチャーター便が向いていますが、料金は高めに設定される傾向があります。
船舶を利用する陸送(離島・遠距離のケース)
沖縄や離島など、陸路だけでは到達できない場所への依頼では、フェリーなどの船舶を組み合わせて運ぶ形になります。陸路のみの依頼に比べて日数や料金が大きく変わるため、離島宛ての依頼を検討している場合は早めに個別で見積もりを取っておくと安心です。
陸送料金の相場はどのくらいか

陸送料金は距離や車のサイズ、依頼する時期によって幅があります。ここではあくまで目安として、一般的に見られる料金帯を距離別にまとめます。実際の金額は依頼する会社や車種、積み込み場所の条件によって前後するため、正式な金額は個別の見積もりで確認してください。
距離・車種別の料金目安
軽自動車と普通車〜大型車を想定した場合、料金のイメージはおおむね次のとおりです。
| 距離の目安 | 軽自動車 | 普通車〜大型車 |
|---|---|---|
| 100km未満 | 15,000円〜25,000円程度 | 20,000円〜35,000円程度 |
| 100〜300km | 25,000円〜40,000円程度 | 35,000円〜55,000円程度 |
| 300〜500km | 35,000円〜55,000円程度 | 50,000円〜75,000円程度 |
| 500〜1,000km | 55,000円〜85,000円程度 | 75,000円〜110,000円程度 |
| 1,000km超(沖縄・離島含む) | 90,000円〜 | 120,000円〜 |
上記はあくまで目安であり、繁忙期の割増や高速道路の利用料金、離島向けの船舶費用などが別途加算されるケースもあります。
陸送費が高額になりやすいケース
陸送費は距離だけで決まるわけではありません。大型車や車高の高い車、エンジンがかからない不動車は積み込みに手間がかかるため、割増料金が設定されることがあります。
また、進学や転勤が集中する3月から4月にかけては依頼が集中しやすく、通常期より料金が上がる傾向があります。時期をずらせるかどうかは、料金交渉の余地にもつながる要素です。
陸送料金を抑えるためにできる工夫
陸送料金は、依頼の仕方次第である程度抑えられます。ここでは代表的な工夫を紹介します。
- 繁忙期を避けて依頼の時期をずらす
- 自宅への配送ではなく、陸送会社の営業所止めにする
- 出発地・到着地とも自分で車を持ち込む
- 複数社から見積もりを取り、料金と条件を比較する
とくに複数社への相見積もりは、料金だけでなく対応の丁寧さを比べる意味でも効果的です。見積もりの出し方や質問への回答の速さから、輸送を任せて安心できる会社かどうかがある程度見えてきます。
信頼できる陸送会社を選ぶポイント

陸送は車という高価な財産を預ける依頼のため、料金の安さだけで会社を選ぶと後悔につながることがあります。以下のポイントを事前に確認しておくと、安心して任せられる会社を見極めやすくなります。
実績と対応エリア、補償内容、見積もりの明確さの3点を事前に確認しておくと、安心して依頼できる陸送会社を見極めやすくなります。
実績と対応エリアを確認する
陸送会社によって、得意とするエリアや対応可能な車種は異なります。全国対応をうたっていても、実際には特定の地域に強みを持つ会社も少なくありません。依頼したい区間での実績があるかどうかを事前に確認しておくと安心です。
保険・補償内容を確認する
輸送中に万が一車を傷つけてしまった場合の補償内容は、会社によって差があります。どこまでの損傷が補償の対象になるのか、飛び石や経年劣化による不具合は対象外になるのかなど、契約前に確認しておきたい項目です。
見積もりの明確さを確認する
見積もり時点で燃料費や高速代、消費税が含まれているかどうかも重要な確認ポイントです。後から追加費用を請求されるトラブルを避けるためにも、見積書に含まれる範囲を書面やメールで残しておくと安心です。
陸送会社選びは、価格だけでなく補償内容と実績をあわせて確認することが、後悔しない依頼につながります。
陸送を依頼する流れ
実際に陸送を依頼する際の大まかな流れを把握しておくと、初めてでも迷わずに手続きを進められます。
対応可能な地域や車種かどうかを、まず確認します。
出発地・到着地・車種・希望日を伝え、正式な見積もりを受け取ります。
見積内容に納得できたら、正式に申し込みを行います。
指定した場所・日時に、車を引き渡します。
到着後、傷や不具合がないかを確認したうえで受け取ります。
依頼前に準備しておきたいこと
依頼前には、車検証や鍵の本数、ガソリン量の指定など、会社ごとに求められる条件を確認しておくとスムーズです。
- 車検証の準備
- 鍵の本数の確認
- 車内の私物の整理
- 傷や不具合箇所の写真撮影
陸送を依頼する際の注意点

陸送は基本的に安全へ配慮して行われますが、依頼する側でも気をつけておきたい点がいくつかあります。
車内に荷物を置かないこと
陸送では、原則として車内に荷物を積み込んだままの状態で運ぶことができません。輸送中の荷崩れや破損、盗難のリスクがあるためです。必要な私物は事前に取り出しておきましょう。
車の状態や傷を事前に確認しておくこと
引き渡し前に車体の傷や凹みを写真で記録しておくと、万が一輸送後に新たな傷が見つかった際の証拠として役立ちます。ドライバーと一緒に車の状態を確認する時間を設けている会社も多いため、積極的に活用しましょう。
一時抹消中の車両や動かない車の扱い
車検切れで一時抹消されている車や、エンジンがかからない不動車でも、対応可能な陸送会社は多くあります。ただし、対応可否や追加費用の有無は会社によって異なるため、依頼前に必ず車両の状態を伝えておく必要があります。
陸送に関するよくある質問
最後に、陸送を検討する際によく寄せられる質問をまとめます。
陸送はどのように読むか
陸送は「りくそう」と読みます。読み方自体で検索されることも多い言葉ですが、意味は本記事で解説してきたとおり、自動車を陸路で運ぶことを指します。
見積もりだけの依頼はできるか
多くの陸送会社では、見積もりのみの依頼も無料で受け付けています。複数社に見積もりを依頼し、料金と対応を比較したうえで発注先を決める進め方が一般的です。
車検切れの車でも陸送できるか
車検切れであっても、積載陸送であれば公道を走らせずに運べるため、多くの会社で対応可能です。一時抹消中の車両についても、事前に相談すれば対応してもらえるケースが多くあります。
まとめ|陸送会社選びに迷ったらハコプロも活用する
陸送は、自動車を陸路で運ぶための手段であり、自走陸送と積載陸送という大きく2つの方法に分かれます。距離や車の状態によって適した方法や料金は変わるため、まずは複数社から見積もりを取り、料金だけでなく補償内容や実績もあわせて比較することが、後悔しない依頼につながります。
ここまで陸送の基本や料金相場、業者選びのポイントを解説してきましたが、実際に会社を探す段階になると、どこに問い合わせればよいか迷う方も多いはずです。そうした場合の選択肢のひとつとして、運送会社検索サイト「ハコプロ」を活用する方法があります。ハコプロには全国およそ6万件の運送会社、8.5万件の営業所が掲載されており、エリアや車両形状といった条件から、車両輸送に対応できそうな運送会社を探せます。
掲載されている運送会社への問い合わせや情報の閲覧はすべて無料で行えます。中間業者を介さず直接契約できる仕組みのため、複数社を比較しながら自分の依頼内容に合った陸送会社を見つけたい方は、一度チェックしてみることをおすすめします。


