4トントラックとはどのようなトラックを指すのか

「4トントラック」は、最大積載量がおおむね4トン前後のトラックを指す通称です。道路運送車両法上の正式な車両区分ではなく、現場や物流業界で広く使われている呼び名になります。中距離から近距離の配送、建設資材の運搬、引っ越しなど、幅広い用途で活躍している車格であり、トラック運転の仕事を検討している人にとっても身近な存在といえます。
ただし「4トン」という呼び方だけでは、運転に必要な免許の種類までは判断できません。免許区分を決めるのは、積載量ではなく車両総重量と最大積載量という2つの数値だからです。この点を理解しておかないと、免許を取得したつもりが実際には運転できない、という事態にもなりかねません。
車両総重量と最大積載量から見る4トントラック
車両総重量とは、車体そのものの重さに乗員と荷物の重量をすべて足し合わせた数値です。一方の最大積載量は、荷台に積むことができる荷物のみの上限を指します。一般的な4トントラックは、最大積載量が3トンから4トン程度、車両総重量が7.5トン前後から8トン近くに設計されているモデルが多く見られます。
免許制度上は、この車両総重量がどの区分に収まるかによって、必要な免許が変わります。同じ「4トン車」という呼び名でも、実際の車両総重量には幅があるため、購入や配車の前に車検証で数値を確認する習慣をつけておくと安心です。
なぜ「4トン」でも必要な免許に幅があるのか
最大積載量が同じ4トンクラスであっても、標準ボディ・ロングボディ・ワイドボディといったボディ形状や、クレーンやパワーゲートなどの架装の有無によって、車両総重量は変わってきます。年式やメーカーによる設計の違いもあり、車両総重量が7.5トン未満に収まるモデルと、7.5トンを超えるモデルが混在しているのが実情です。
この境界線をまたぐかどうかで、後述する準中型免許で足りるのか、中型免許まで必要になるのかが分かれます。ここでは、その仕組みを段階的に見ていきます。
運転できる範囲は免許を取得した時期によっても変わる

日本の運転免許制度は、平成19年(2007年)と平成29年(2017年)の2度にわたって大きく改正されています。改正のたびに新たな免許区分が設けられ、運転できる車両の範囲は段階的に縮小されてきました。そのため、同じ「普通免許」という名称であっても、いつ取得したかによって運転できるトラックの範囲がまったく異なります。
この経過措置を知らずに「普通免許があるから大丈夫」と考えてしまうと、実際には無免許運転にあたってしまうケースもあるため、自分や自社のドライバーがどの時期に免許を取得したのか、まずは免許証の交付年月日で確認しておくことが大切です。
平成19年6月1日以前に普通免許を取得した場合
この時期に普通免許を取得した人は、車両総重量8トン未満、最大積載量5トン未満までの車両を運転できます。現在では「中型免許(8トン限定)」に相当する扱いとなっており、一般的な4トントラックのほとんどはこの範囲に収まるため、追加の免許を取得しなくても運転できるケースが大半です。
平成19年6月2日〜平成29年3月11日に普通免許を取得した場合
この期間に取得した普通免許は、車両総重量5トン未満、最大積載量3トン未満に限定されます。標準的な4トントラックの多くは車両総重量がこの範囲を超えているため、そのままでは運転できず、中型免許への限定解除や上位免許の取得が必要になる場合がほとんどです。
平成29年3月12日以降に普通免許を取得した場合
準中型免許の新設にともない、この時期以降に取得した普通免許は、車両総重量3.5トン未満、最大積載量2トン未満というさらに狭い範囲に限定されています。この免許だけで4トントラックを運転することはできないため、準中型免許以上を新たに取得する必要があります。
4トントラックの運転に必要な免許の種類と取得条件

これから新たに免許を取得する場合、実質的に候補となるのは「準中型免許」と「中型免許」の2つです。どちらを取得すべきかは、運転したい車両の車両総重量によって決まります。それぞれの区分と取得条件を整理しておきましょう。
準中型免許で対応できる範囲
準中型免許は、車両総重量3.5トン以上7.5トン未満、最大積載量2トン以上4.5トン未満、乗車定員10人以下の車両を運転できる免許です。18歳以上であれば、普通免許を持っていない状態からでも直接取得できる点が特徴で、免許保有歴を問われません。
4トントラックの中でも、比較的軽量に設計されたショートボディや標準ボディのモデルであれば、車両総重量が7.5トン未満に収まっており、準中型免許で運転できる場合があります。
中型免許が必要になるケース
中型免許は、車両総重量7.5トン以上11トン未満、最大積載量4.5トン以上6.5トン未満の車両に対応する免許です。ロングボディやワイドボディの4トントラック、クレーンなどの架装を搭載したモデルは車両総重量が7.5トンを超えることが多く、こちらの区分が必要になる場合が大半を占めます。
中型免許を取得するには、20歳以上であること、かつ普通免許・準中型免許などの保有期間が通算2年以上あることが条件です。免許停止期間はこの通算期間に含まれないため、注意が必要です。
自分や自社の車両がどちらに該当するか確認する方法
もっとも確実な確認方法は、車検証に記載されている「車両総重量」の欄を見ることです。カタログスペックだけで判断せず、実際に登録されている車両の数値を確認しましょう。パワーゲートやクレーンなどの架装を後付けした場合は、架装前後で車両総重量が変わることもあるため、架装業者や販売店に確認しておくと安心です。
| 免許区分 | 車両総重量 | 最大積載量 | 取得条件の目安 |
|---|---|---|---|
| 普通免許(現行) | 3.5トン未満 | 2トン未満 | 18歳以上 |
| 準中型免許 | 3.5トン以上7.5トン未満 | 2トン以上4.5トン未満 | 18歳以上(免許保有歴不問) |
| 中型免許 | 7.5トン以上11トン未満 | 4.5トン以上6.5トン未満 | 20歳以上・保有通算2年以上 |
免許取得にかかる費用と期間の目安

免許取得にかかる費用や期間は、通学プランか合宿プランか、また現在どの免許をすでに持っているかによって大きく変わります。教習所ごとの料金差も大きいため、あくまで目安として捉えたうえで、複数の教習所から見積もりを取ることをおすすめします。
準中型免許を新規で取得する場合の相場
普通免許を持っていない状態から準中型免許を取得する場合、教習時限数が多くなるため、費用は20万円台後半から30万円台程度が目安になります。期間は通学であれば1か月から2か月程度、合宿であれば2週間前後で卒業できるプランが一般的です。
中型免許へステップアップする場合の相場
すでに普通免許や準中型免許を持っている人が中型免許を取得する場合は、必要な教習時限数が少なく済むため、費用は10万円台前半から半ば程度に収まることが多くなっています。合宿プランであれば1週間程度、通学であれば2週間から3週間程度が期間の目安です。
費用を抑えるためのポイント
合宿プランは通学よりも総額が安くなりやすく、繁忙期を避けることでさらに費用を抑えられる場合があります。運送会社によっては、入社後に免許取得費用を補助する制度を設けているケースもあるため、就職や転職を検討している段階であれば、応募先の支援制度についてもあわせて確認しておくとよいでしょう。
通学か合宿か、費用や日程、自宅からの距離をふまえて教習所を比較します。
視力や聴力などの適性検査を受け、教習が受けられるかを確認します。
所持免許によって必要な教習時限数が変わり、費用や期間にも直結します。
卒業検定に合格すると、指定の運転免許試験場での手続きを経て免許証が交付されます。
4トントラックを運転する際に気をつけたい実務上のポイント
免許を取得できたとしても、実際の運転にはトラック特有の感覚が求められます。乗用車とは車体の大きさやハンドル操作の癖が異なるため、免許取得後も意識しておきたい実務上のポイントを押さえておきましょう。
内輪差と死角の大きさ
4トントラックは車体が長く、曲がる際に前輪と後輪の軌道差である内輪差が乗用車よりも大きくなります。左折時に歩行者や自転車を巻き込みやすいポイントであり、ミラーだけでなく目視での確認を徹底することが欠かせません。
車高が高く運転席から見えない死角も広いため、発進前の車両周囲確認や、バック時の誘導確認を習慣づけることが安全運転につながります。
荷物の積載と法令順守
最大積載量を超えて荷物を積む過積載は、道路交通法違反として罰則の対象になるだけでなく、ブレーキの効きが悪くなるなど事故のリスクを高めます。荷物を積む前には必ず重量を確認し、偏った積み方によるバランスの崩れにも注意が必要です。
出発前点呼と日常点検は、免許の有無以上にドライバーの安全を左右する基本動作です。慣れてきた時期こそ、あらためて見直しておきたい習慣といえます。
4トントラックの免許に関するよくある質問
ここまでの内容をふまえ、免許について特に問い合わせが多い疑問を整理しておきます。
Q.4トントラックは普通免許で運転できますか
いつ普通免許を取得したかによって答えが変わります。平成19年6月1日以前に取得した普通免許であれば、車両総重量8トン未満まで運転できるため、多くの4トントラックが対象になります。一方、平成29年3月12日以降に取得した現行の普通免許では、車両総重量3.5トン未満の車両しか運転できず、4トントラックは対象外です。
Q.準中型免許と中型免許はどちらを取得すればよいですか
運転したい車両の車両総重量で判断します。7.5トン未満のモデルであれば準中型免許で対応できますが、7.5トンを超えるモデルであれば中型免許が必要です。就職先の運送会社で扱う車両が決まっている場合は、その車両の車検証を確認したうえで、必要な免許を選ぶと無駄がありません。
Q.免許の限定解除にはどのくらい費用がかかりますか
すでに保有している免許からの限定解除やステップアップは、新規取得に比べて教習時限数が少なく済むため、費用を抑えられる傾向にあります。具体的な金額は教習所やプランによって差があるため、事前に複数校で見積もりを比較しておくと安心です。
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