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フォークリフトの点検義務とは|法定頻度・罰則・記録保管を解説

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フォークリフトの点検はなぜ義務なのか

倉庫や物流現場でフォークリフトを使用する事業者には、点検の実施が法律で義務付けられています。社内でルールとして決めているかどうかにかかわらず、労働安全衛生法とその関連省令に基づく法的な要求事項であるという点をまず押さえておく必要があります。ここでは、その根拠と背景を確認していきます。

労働安全衛生法・安衛則における位置づけ

労働安全衛生法45条は、特定の機械等について事業者に定期自主検査の実施と記録の作成を義務付けています。フォークリフトは、労働安全衛生法施行令15条において定期自主検査の対象に指定されている機械のひとつです。

具体的な点検の頻度や実施方法は、労働安全衛生規則(以下、安衛則)151条の21から151条の25にかけて定められています。始業前点検、1か月以内ごとの月次点検、1年以内ごとの年次点検という3段階の枠組みが設けられており、それぞれ確認すべき項目や実施できる人の要件が異なります。

点検が求められる背景にある労働災害の実態

フォークリフトは荷役運搬に欠かせない機械である一方、挟まれ・巻き込まれや、転倒・転落といった重大な労働災害の要因にもなりやすい機械です。ブレーキやフォークの摩耗、油圧系統の劣化などは、日常の運転感覚だけでは気づきにくいという特徴があります。

点検の義務化は、こうした故障の予兆を運転前や定期のタイミングで発見し、事故に至る前に対処するための仕組みとして位置づけられています。現場の担当者の中には点検を手間に感じる人もいるかもしれませんが、その実態は事故防止のために欠かせない工程です。

フォークリフトの点検義務は3種類、頻度が異なる

フォークリフトの点検義務は、実施のタイミングによって始業前点検・月次点検・年次点検の3種類に分かれます。それぞれ確認する項目の深さや、点検を担当できる人の資格要件が異なるため、区別して理解しておくことが実務上のポイントです。

始業前点検(毎日の点検)

安衛則151条の25では、フォークリフトを使用する日ごとに、作業を開始する前にブレーキやハンドル、荷役装置、警報装置などに異常がないかを点検することを義務付けています。運転者自身が担当することが多く、異常が見つかった場合は補修が完了するまで使用してはならないとされています。

月次点検(1か月以内ごと)

安衛則151条の22に基づき、1か月を超えない期間ごとに、制動装置・クラッチ・操縦装置・荷役装置・油圧装置・車輪・かじ取り車輪などを対象とした定期自主検査を行う必要があります。始業前点検より踏み込んだ項目を、決められた周期で確認する位置づけの点検です。

年次点検(特定自主検査、1年以内ごと)

年次点検は「特定自主検査」と呼ばれ、1年を超えない期間ごとに実施する義務があります。特定自主検査は、フォークリフトについて一定の知識・経験を有する者、あるいは検査業者など厚生労働省令で定める要件を満たす者が実施しなければならない点が、始業前点検や月次点検と大きく異なります。

自社に有資格者がいない場合は、検査業者へ依頼するのが一般的な対応です。年次点検を終えた機械には、検査済みであることを示す標章を貼付することも定められています。

点検を怠った場合に問われる責任とリスク

点検の未実施は、単に望ましくない対応というだけでなく、法令違反として罰則の対象になり得る行為です。加えて、点検を怠った状態で労働災害が発生した場合は、行政処分や民事上の責任にまで発展する可能性があります。

労働安全衛生法上の罰則

労働安全衛生法119条では、定期自主検査に関する規定(45条)への違反について、6か月以下の懲役または50万円以下の罰金という罰則が定められています。点検を実施していない、あるいは記録を残していないという状態は、労働基準監督署の調査の際に是正勧告や指導の対象になりやすい点です。

労働災害が起きた場合の企業責任

仮に点検の不備が原因でブレーキの利きが悪くなり、それが労働災害につながった場合、行政上の罰則にとどまらず、被災した労働者やその家族に対する損害賠償責任(安全配慮義務違反)を問われる可能性もあります。

荷主企業にとっても、委託先の運送会社や協力会社が安全管理を徹底しているかどうかは、取引を続けるかどうかの判断材料になり得る観点です。点検体制がしっかりしている会社であるかは、事故のリスクだけでなく、継続的な取引の信頼性にも関わってきます。

点検記録の作成と保管も義務の一部

フォークリフトの点検義務は、実施すること自体だけでなく、その結果を記録し、一定期間保管しておくことまでを含みます。点検をしていても記録が残っていなければ、実施の事実を証明できないという点に注意が必要です。

点検記録に記載すべき項目

月次点検・年次点検の記録には、次のような項目を記載しておく必要があります。

  • 点検を実施した年月日
  • 点検の方法
  • 点検箇所と判定結果
  • 補修等の措置を行った場合はその内容
  • 点検を実施した者の氏名

始業前点検についても、点検表などの形式で記録を残しておくことが望ましいとされています。

記録の保管期間の考え方

定期自主検査の記録は、労働安全衛生規則135条の3などの規定に基づき、一定期間保存することが求められています。実務上は3年間を目安に保管している事業者が多く、労働基準監督署の調査や事故発生時の説明資料としても記録は重要な役割を果たします。

点検を確実に運用へ落とし込むための実務のポイント

点検義務があることを理解していても、現場が忙しくなるにつれて対応が形骸化してしまうケースは少なくありません。ここでは、点検を実務としてきちんと回すためのポイントを紹介します。

点検担当者の教育と資格

始業前点検や月次点検であれば、社内の運転者や整備担当者が実施することも可能ですが、フォークリフトの構造や点検基準についての教育を受けているかどうかで、点検の質は大きく変わります。年次点検(特定自主検査)については前述のとおり有資格者が担当する必要があるため、社内での育成か外部委託かをあらかじめ決めておくことが望まれます。

自社実施と外部委託の使い分け

保有台数が少ない事業者や、専門知識を持つ担当者を確保しにくい事業者では、年次点検を検査業者に委託し、始業前点検・月次点検は社内で行うという役割分担が現実的な選択肢になります。

一方で、フォークリフトを多数保有する事業者では、社内に有資格者を育成し、点検スケジュールを一元管理する体制を整えるほうが、コストと安全性のバランスを取りやすい場合もあります。自社の車両台数や稼働状況に応じて、どちらの体制が合っているかを見極める価値はあります。

まとめ|点検体制の徹底が安全運行と信頼につながる

ポイント

フォークリフトの点検義務は、始業前・月次・年次という3段階で構成されており、それぞれ確認項目や担当者の要件が異なります。点検を怠れば罰則の対象になるだけでなく、労働災害や取引先からの信頼低下にもつながりかねません。記録の作成と保管まで含めて、日々の運用にきちんと落とし込んでおくことが重要です。

こうした安全管理への取り組みは、運送業界において荷主企業が協力先を選ぶ際の判断材料にもなっています。運送会社検索サイト「ハコプロ」では、ドライバーの情報や各社の取り組みを可視化する仕組みを設けており、安全管理を重視する運送会社を探す荷主企業にとって参考になる情報を掲載しています。運送会社の側からみても、自社の点検体制や安全への取り組みを発信する場として活用できます。

フォークリフトの点検体制の見直しや、信頼できる運送パートナー探しについて相談したい場合は、ハコブログの運営元であるハコプロまでお気軽にお問い合わせください。

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