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トラックの速度抑制装置とは|義務化の理由と解除の罰則を解説

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大型トラックの後方に貼られた「速度抑制装置付」のステッカーを見て、どのような仕組みなのか気になったことがある方は多いのではないでしょうか。乗用車を運転していると、速度を上げても加速していかない大型トラックに違和感を覚える場面もあるかもしれません。

この記事では、トラックに装着が義務付けられている速度抑制装置について、仕組みや義務化された背景、対象となる車両、そして解除や不正改造に伴うリスクまで整理して解説します。運送業界で働く方はもちろん、荷主として運送会社を選ぶ立場の方にも役立つ内容です。

目次

トラックの速度抑制装置とはどのような装置か

速度抑制装置とは、一定の速度に達するとそれ以上加速しないようエンジンの燃料噴射や電子制御を介して出力を抑える装置です。俗に「スピードリミッター」とも呼ばれ、対象となる大型トラックには標準で組み込まれています。アクセルペダルをどれだけ踏み込んでも、設定された速度を超える加速はできない構造になっています。

エンジン制御によって速度を抑える仕組み

速度抑制装置の多くは、車両の速度センサーが検知した情報をもとに、エンジンの電子制御ユニットが燃料噴射量を自動的に絞り込むことで加速を止める仕組みを採用しています。ブレーキのように強制的に減速させるわけではなく、あくまで一定速度から先の「加速」だけを制限する点が特徴です。

下り坂などでは重力によって制限速度を超えることもありますが、これは装置の制御対象外です。速度抑制装置はあくまでエンジン出力側の制御であり、坂道での慣性による速度超過までは防げないという点は、装置の限界として押さえておく必要があります。

乗用車のスピードリミッターとの違い

乗用車にも速度リミッターが搭載されている車種はありますが、その多くはおよそ180キロメートル毎時前後で作動する自主規制であり、法律で義務付けられたものではありません。一方、大型トラックの速度抑制装置は法令によって装着と作動速度の上限が明確に定められており、任意で調整できるものではない点が根本的に異なります。

速度抑制装置の装着が義務化された2つの理由

速度抑制装置は平成15年(2003年)9月から装着が義務化された装置です。義務化の背景には、大きく分けて事故防止と環境対策という2つの目的があります。それぞれの経緯を見ていくと、単なる規制強化ではなく実際の事故傾向をふまえた対策であったことが分かります。

高速走行時の重大事故を防ぐための対策

大型トラックは車両総重量が乗用車の何倍にもなるため、高速走行中に事故が発生すると被害が甚大になりやすいという特性があります。速度超過を起因とする重大事故が相次いだことを受け、国は速度そのものを機械的に制限する方向へ舵を切りました。ドライバーの注意力に依存するだけでなく、装置によって物理的に速度超過を防ぐという発想です。

実際、装着義務化以降は大型車が関与する高速道路上の重大事故の傾向にも変化が見られたとされており、速度抑制という単純な仕組みが事故抑止に一定の効果を上げてきたと評価されています。

燃費向上と排出ガス削減という環境面の狙い

もう一つの目的が環境対策です。高速域での走行は燃料消費が急激に増える領域であり、速度を一定以下に抑えることで燃費効率を維持し、結果として排出ガスの削減にもつながります。安全対策と環境対策という一見別々の課題が、速度抑制という一つの仕組みで同時に解決されている点は、この装置が長く維持されてきた理由のひとつだと考えられます。

装着義務の対象となる車両と速度区分

すべてのトラックに速度抑制装置が義務付けられているわけではありません。対象となるのは一定の車両総重量や積載量を超える車両であり、排出ガス規制の適合時期によって取り扱いが細かく分かれています。自社の車両が対象かどうかを正確に把握しておくことは、点検や車検の場面でも欠かせない知識です。

排出ガス規制の年式で分かれる対象車両

  • 平成6年排出ガス規制適合車(識別記号KC-)
  • 平成10年・11年排出ガス規制以降の適合車(識別記号KK-・KL-など)
  • 上記以外で車両総重量や最大積載量が基準を超える大型車

おおむね車両総重量8トン以上、または最大積載量5トン以上の大型トラックが対象範囲に含まれると理解しておくとよいでしょう。中古トラックを購入する際も、この基準に該当する車両かどうかで速度抑制装置の有無が変わってくるため、車両の識別記号や年式は確認しておく価値があります。

2024年4月に見直された最高速度区分

2024年4月1日からは、高速道路における大型車の最高速度区分が時速100キロメートル、時速90キロメートル、時速80キロメートルの3区分に再編されました。従来は時速80キロメートルに制限されていた大型トラックと一部の中型トラックについても、時速90キロメートルまで引き上げられています。

ただし、トレーラーについては従来どおり時速80キロメートルが上限のまま据え置かれました。同じ大型車でも車両区分によって上限速度が異なるため、混在した車列で走行する際には他車との速度差を意識した運転が求められます。

速度抑制装置の不正改造・解除に伴うリスク

速度抑制装置を取り外したり、制御を無効化したりする、いわゆるリミッターカットは明確な不正改造にあたります。荷主から見ても、こうした改造を行っている運送会社との取引はコンプライアンス上のリスクになり得るため、仕組みと罰則を正しく理解しておくことが重要です。

道路運送車両法・道路交通法上の扱い

速度抑制装置を無効化した車両は、道路運送車両法第54条に基づく整備命令の対象となるほか、道路交通法第62条が定める整備不良車両の運転禁止にも抵触します。取り締まりで発覚した場合、車両の使用停止や整備命令が下されるだけでなく、事業用車両であれば運送会社としての社会的信用にも影響が及びます。

速度抑制装置に関する制度の詳細や情報提供の取り扱いについては、全日本トラック協会が公表している資料や、国土交通省の公式サイトで確認することができます。

リミッターカットが運送会社にもたらす不利益

リミッターカットが発覚した場合、車両単体の処分にとどまらず、荷主との取引停止や監査対象への指定といった経営上の不利益につながる可能性があります。速度超過そのものが重大事故のリスクを高めることに加え、法令順守の姿勢が問われる企業体質の問題として扱われる点も見逃せません。

近年は荷主企業側もコンプライアンス意識を高めており、運送会社を選定する際に法令順守の実態を重視する傾向が強まっています。速度抑制装置を適切に維持管理していることは、安全運行の証であると同時に、荷主からの信頼を得るための最低限の条件になりつつあります。

現場のドライバーが感じる速度抑制装置への本音

制度としての意義がある一方で、実際に運転席に座るドライバーからは速度抑制装置に対する率直な本音も聞かれます。安全対策としての側面だけでなく、現場でどのように受け止められているのかを知っておくことも、運送業界への理解を深めるうえで欠かせない視点です。

高速道路での速度差が生むストレス

高速道路の追い越し車線では、乗用車や一部の中型車が時速100キロメートル前後で走行する中、速度抑制装置によって上限が定められた大型トラックだけが取り残されるような場面が生まれます。後続車に追い立てられるようなプレッシャーを感じるという声や、速度差がかえって追い越し時の危険を生んでいるという指摘は、実際にハンドルを握るドライバーならではの実感といえるでしょう。

2024年4月の速度区分見直しによって大型トラックの上限が時速90キロメートルまで引き上げられたことで、こうした速度差はある程度緩和されました。もっとも、トレーラーは引き続き時速80キロメートルが上限であるため、車種によって速度差が残る状況は今後も続くと見られます。

それでも装置が支えている安全と評価すべき点

不満の声がある一方で、速度抑制装置がなければ高速走行中の重大事故がさらに増えていた可能性は否定できません。ドライバー個人の判断や注意力だけに事故防止を委ねるのではなく、機械的な仕組みで一定の安全ラインを担保しているという点は、業界全体として冷静に評価すべき部分です。速度が出せないもどかしさと、事故を未然に防ぐ仕組みという二つの側面を理解したうえで運行管理にあたる姿勢が、運送会社には求められています。

運送会社選びは「ハコプロ」への相談も選択肢に

ここまで見てきたように、速度抑制装置は安全と環境の両面から運送業界を支える仕組みですが、それを適切に維持管理し、法令を順守しながら運行しているかどうかは会社ごとに差があるのが実情です。荷主として運送会社を選ぶ場合も、ドライバーとして働く会社を探す場合も、法令順守の実態が見える情報源を持っておくことが安心につながります。

株式会社LIGOが運営する運送会社検索サイト「ハコプロ」は、掲載運送会社数約6万件、営業所数約8.5万件という規模のデータベースを持ち、荷主企業と運送会社の直接契約を後押しするサービスです。ドライバーの年齢や社歴、運送にかける想いを掲載する「ドライバー名鑑」機能によって、多重下請けが常態化しやすい業界の中で「誰が荷物を運んでいるのか」を可視化している点が特徴です。

加えて、独自の基準で運送会社を認定する「ホワイト物流認定マーク」の仕組みも用意されており、安全運行や法令順守への取り組みを重視する荷主企業にとって参考になる情報源となっています。運送会社側の掲載料・登録料は初期費用・使用料ともに0円で、写真や情報の更新にも回数制限がありません。

速度抑制装置をはじめとする安全運行の取り組みをきちんと行っている運送パートナーを探したい方は、運送業界の情報を発信する「ハコブログ」や、運送会社検索サービス「ハコプロ」への相談も選択肢のひとつとして検討してみてはいかがでしょうか。

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