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【荷主必見】トラックGメンとは?創設された理由や活動実態・役割・目指す世界を徹底解説!

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運送業界の「2024年問題」に先駆け、国土交通省は2023年7月に「トラックGメン」を創設のうえ活動を開始しました。
2024年4月よりトラックドライバーの時間外労働が年間960時間に規制されることで、輸送力不足やドライバーの収入減、トラック事業者の収益減といった深刻な負のスパイラルが危惧されています。

しかしこの2024年問題は、荷主起因によるトラックドライバーの長時間労働の常態化に大胆にメスをいれなければ決して解決には至りません。

そこで荷主の意識を改革し、業界に深く根付いた負の構造を抜本的に改善するために「トラックGメン」が創設されました。今回は、トラックGメン創設の背景や活動実態、またその役割や効果について深掘りします。

目次

トラックGメンとは

まず「トラックGメン」とは何か、創設された背景や監視する違反行為について解説しましょう。               

トラックGメンの創設

働き方改革法案により、2024年4月1日からトラックドライバーの時間外労働が年間960時間に規制されるにあたり、「2024年問題」が顕在化してきました。

トラックドライバーの残業時間が減ると、ドライバーの給与はもちろん、トラック事業者の収益が減少し、荷主にとっては商品や資材、エネルギーといった貨物の一部が運べないとか遅延するといった深刻な事態を招きかねません。

しかしこの問題の本質は、トラックドライバーの待ち時間の長期化や付帯作業といった荷主起因の運転以外の余剰業務による長時間労働が、恒常的に強いられていることにあります。
よって、この常態化した業界事情にメスを入れなければ、2024年問題を抜本的解決に導くことは不可能でしょう。

そこで、荷主とトラック事業者の上下関係を見直し、その優越的立場を利用して無理難題を押し付けるという長年の慣習を改める必要があります。
とはいえ、荷主とトラック事業者という当事者のみでこの大改革を実行することは非常に困難です。弱い立場のトラック事業者が強い立場の荷主に向かって物申すなどできるはずがないことは、火を見るよりあきらかだからです。

そこでこの改革の実効性を高めるために、2023年7月21日に国土交通省によって「トラックGメン」が創設されました。その役割は、荷主とトラック事業間での不適切な取引の監視を強化することにあり、構成員は全国で162名(国土交通省の規定定員82名に緊急で80人を追加)になります。

実は、溯ること2018年、議員立法における時限措置(2023年6月まで)として「荷主対策の深度化」の制度が創設されました。トラック事業者の業務に関して法令が遵守されるように国土交通大臣による荷主への働きかけや要請などを具体的に規定したのです。

ところがその後、新型コロナウィルスや原油価格の高騰などにより、さらにトラック事業者の経営環境が悪化、2023年6月までの時限措置では目的達成には至らないとの判断で延長されたという背景があります。この実効性をさらに担保するべく、トラックGメンが創設されたという見方ができるでしょう。

トラックGメンが監視する違反行為

トラックGメンが監視する対象は、発荷主と着荷主、および元請事業者になります。輸送品目も実に幅広く、その中身によって発生する違反行為の特徴も異なってきます。

国土交通省の調査によると、違反原因行為を行っている疑いがある荷主は、発荷主が圧倒的に多くて46%、続いて着荷主が21%、元請事業者が28%と続きます。

また、違反原因行為の割合としては、

  1. 長時間の荷待ち→38%
  2. 契約にない付帯業務→22%
  3. 過積載の指示・容認→20%
  4. 運賃・料金の不当な据え置き→9%
  5. 異常気象時の運送依頼→4%

などとなっています。

荷待ち時間は10時間にも及ぶものまであり、その深刻さは想像を上回るものがあると言え、発覚しているものは、まだ氷山の一角に過ぎないと考えられます。

トラックGメンの活動実態

続いて、トラックGメンの活動実態について見ていきましょう。

トラックGメン活動の概要

トラックGメンは、荷主に関する情報を収集し、その情報を基に違反原因行為を行っている疑いのある悪質な荷主等に「働きかけ」をします。

さらに違反原因行為を行っていると疑うにたる相当の理由がある場合は「要請」を、その勧告に耳を貸さず改善が見られない場合は、「勧告・公表」で早急な是正の促進を目指しています。  

トラックGメン活動の実績

2023年10月末時点で、2019年からの貨物自動車運送事業法附則に基づく「働きかけ」は251件実施されました。その内、トラックGメン発足依頼の「働きかけ」は166件にのぼります。つまり、全体の約67%が、トラックGメン発足後に行われている計算になります。

地域別で見てみると、関東運輸局が152件、次いで近畿運輸局が25件、中部運輸局が24件、九州運輸局が14件、北陸信越が10件と続きます。「要請」は同10件で、その内トラックGメン発足後は6件となっています。

以上のように、トラックGメンが創設されて以降、「働きかけ」や「要請」は大幅な増加を見せています。

どのように情報収集しているか

トラックGメンは、複数のルートから積極的に情報収集を行なっています。

まず創設された2023年の11〜12月には、全トラック事業者を対象に、荷主による違反行為の実態を把握するための調査を行い、「集中監視月間」として悪質な荷主、元請事業者に対し「働きかけ」「要請」「勧告・公表」を集中的に実施しました。

また、厚生労働省の「荷主特別対策担当官」や中小企業庁の「下請けGメン」、都道府県労働局、地方経済産業局、地方農政局といった関係行政機関と連携して、荷主やトラック事業者への合同ヒアリングも推進しています。

情報収集の方法としては、荷主やトラック事業者からの自発的な報告を待つのではなく、プッシュ型によって、トラック事業者や労働組合、地方適正化事業実施機関への働きかけを行なっています。

トラックGメンは、実際に現場に足を運んだり、電話をかけたりして情報収集することもあり、例えば、一般社団法人 東京都トラック協会は、都内の事業者に向けて、トラックGメンの情報収集に積極的に協力するよう書面にて呼びかけを行なっています。

トラックGメンの役割と効果

トラックGメンの役割と効果について改めてまとめましょう。

各種ガイドラインや告知の浸透 

2024年問題の解決に向けて、国土交通省や厚生労働省、経済産業省、農林水産省などの省庁は、荷主や元請事業者を対象に物流改善のためのガイドラインや手引きを発表しています。

それらを満遍なく網羅すると、荷主や元請事業者とトラック事業者との間に存在する不適切な取引は大幅に解決するものと考えられます。

トラックGメンは、各種ガイドラインや手引きの告知と浸透を、単にWebで広報するだけでなく、実際に対面で働きかけるため、より確実に浸透していくと期待できるでしょう。

荷主と運送会社間や荷主間の情報連携 

トラックGメンが荷主を訪問することで、運送会社にありがちな待ち時間の長期化・付帯作業といった荷主起因の運転以外の余剰業務による長時間労働の常態化について、荷主との間でより具体的に共有することが可能になります。

これによって、各荷主にとって2024年問題が他人事ではなく、自分事として理解できるようになるため、物流改善の実効性が高まるでしょう。

加えて、ある荷主が実施した改善策を他の荷主とその取引先との間で、トラックGメンを経由して横展開することで、改善のスピードや品質をより高めることも可能になります。

物流改善の進捗把握と改善事例の収集 

トラックGメンの情報収集作業や働きかけ、さらにそのフィードバックが進むと、物流現場の実態がより明確に理解できるため、2024年問題解決に向けた対策の進捗度を適切に把握することが可能になります。

成功例や失敗例を広く収集することで、その特徴を分析できれば、改善策をより高いレベルにブラッシュアップすることもできるでしょう。

トラックGメンが目指す世界

2024年問題の要因となった働き方改革法案の趣旨は、決して関係者を苦しめる「改悪」ではなく、運送業の持続可能性を高め、そこに関わる労働者のワークライフバランスを向上させるための「改善」であることを理解しておく必要があるでしょう。

つまり2024年問題は、「問題」というよりもあくまで運送業界とそこに関わる全荷主にとって全体最適を見出すための貴重な解決課題なのです。

トラックGメンは、この意義深い課題を確実に解決に向かわせるために、荷主への「監視」「勧告」という一方的な役割に終始するのではなく、情報共有を通じて荷主とトラック事業者双方の立場の理解を促進する役割を果たすために存在するといえます。

すなわち、荷主と運送会社の双方をホワイトな業界にして、ウィンウィンの関係へとシフトさせていくことが最終ゴールなのです。

そのために、運送会社から調査要請があれば、即座に適切な動きをつけ、違反行為やその疑いがある行為の核心を捉え、改善を促したり、業界全体に広く情報提供したりすることが強く求められます。

そして、ゆくゆくは、2024年問題解決の大きな糸口を握る荷主が、トラックGメンからの働きかけや要請を待たず、自ら主体的に改善を手がけるようになるのが理想といえるでしょう。

まとめ

2024年問題を契機に創設されたトラックGメンは、「荷主を監視する」という部分だけを取り上げると、冷徹で無機質なように感じられるかもしれません。

しかし実際は決してそのようなことはなく、一人一人の担当者が、熱い思いと使命感をもって、泥臭く足を使いながら、理想の世界を目指して日夜そのミッションに励んでいるというのが実情です。

そしてその甲斐あって創設後わずか数ヶ月で、すでに一定の成果が出始めています。この動きが2024年4月以降、どこまで広がっていくかについてはしっかりと注視していく必要があるでしょう。

LIGOでは、荷主から選ばれるべきホワイトな運送会社をPRして応援するとともに、荷主の役に立てるよう荷主にとって有用な情報発信も行なってまいります。

信頼できる素晴らしい運送会社をお探しなら、是非ハコプロをご利用ください。

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