「10tトラック」と聞いて、積載量が10tだと思い込んでいませんか?実はこれ、業界でも頻繁に起きる誤解の一つです。10tトラックの最大積載量は10tではなく、車種や仕様によって異なります。荷主担当者から「なぜこの車で10t積めないのか」と問い合わせが来る現場は今でも少なくありません。
この記事では、10tトラックの最大積載量の正確な定義から、車両総重量・車両重量との関係性、平ボディ・ダンプ・ウイング・ユニック車など車種別のスペック比較、さらに積載量の計算方法と過積載リスクまでを体系的に解説します。荷主企業の物流担当者から運送会社の営業担当まで、実務で即使える知識を整理しているので、ぜひ最後まで読んでください。
「10tトラック」の積載量が10tではない理由

「10tトラック」という名称は、車両総重量がおおむね20t前後のクラスを指す業界通称であり、最大積載量そのものを示した数字ではありません。これが最大の混乱源です。
日本の道路交通法および車両法では、トラックの区分を「普通・中型・大型」で定義しており、10tトラックは車両総重量11t以上のいわゆる大型トラック区分に相当します。では、なぜ「10t」という呼び名が定着したのか。それは最大積載量がおよそ10t前後に設定されることが多かった歴史的な慣習によるものです。
最大積載量・車両重量・車両総重量の違い
この3つの数字を混同すると、過積載や運行計画のミスにつながります。それぞれの定義を確認しましょう。
最大積載量:トラックに積載できる荷物の最大重量。車検証に記載されている法定の数値で、これを超えると過積載になる。
車両重量:燃料・オイル等を含む車両本体の重量(乗員・荷物を含まない)。
車両総重量:車両重量+最大積載量+乗員重量(55kg×乗車定員)を合計した数値。道路橋の通行制限などはこの総重量が基準となる。
計算式で表すと次のようになります。
車両総重量=車両重量+最大積載量+(55kg×乗車定員)
10tトラックの場合、車両重量はおよそ6〜8tが一般的です。そのうえで最大積載量が10t前後になると、車両総重量は20〜25t程度に達します。「車が10tを運ぶ」のではなく、「車両全体で20t超の重さになる」という感覚が実務では重要です。
大型トラックと中型トラックの積載量の境界線
トラックの法定区分と積載量の関係は以下の通りです。なお、免許区分と車両区分は必ずしも一致しないため、注意が必要です。
| 区分 | 車両総重量 | 最大積載量の目安 | 必要免許 |
|---|---|---|---|
| 普通トラック(2t・3t) | 3.5t未満 | 2t以下 | 普通免許 |
| 中型トラック(4t) | 3.5t〜11t未満 | 3〜6.5t程度 | 中型免許 |
| 大型トラック(10t) | 11t以上 | おおむね8〜11t | 大型免許 |
ここで重要なのは、大型トラック区分でも最大積載量は「必ず10t」ではないという点です。車種・荷台の仕様・オプション装備によって車両重量が変わるため、同じ車両クラスでも積載量に差が生じます。
10tトラックの最大積載量:車種別スペック比較

10tクラスのトラックには複数の荷台形状(ボディタイプ)があり、それぞれ車両重量が異なるため、最大積載量も変わります。「同じ10tトラックなのに積める量が違う」という現象はここから来ています。
平ボディ(フラットボディ)
荷台が平らでシンプルな構造のため、車両重量が比較的軽く抑えられます。一般的な大型平ボディトラックの最大積載量はおおむね10〜11tが標準的です。鉄鋼・木材・農産物など、形状が不規則な大型貨物の輸送に多用されています。
荷台寸法は全長約7〜9m、幅約2.3m前後が一般的で、積載容積は荷物の積み方によって大きく変動します。かさばる荷物(体積が重量よりも問題になる貨物)を扱う場合は、重量だけでなく積載面積も確認が必要です。
ウイングボディ・箱型トラック
側面が開閉するウイング構造や密閉型の箱型ボディは、荷台構造が重くなるため、最大積載量はおおむね8〜10t程度に設定されることが多いです。アルミ製の軽量化ウイングを採用したモデルでは10t近くまで確保できるケースもあります。
容積については一般的なウイングトラックで60〜80m³程度が目安となっており、軽量・大型の荷物(家具・家電・アパレルなど)を扱う輸送でよく使われます。実務では「容積MAX(体積が先に限界を迎える)」と「重量MAX(重量が先に限界を迎える)」の2種類の制約を常に意識する必要があります。
ダンプトラック
荷台の油圧機構や強化フレームの重量が加わるため、10tダンプの最大積載量は一般的に5〜6t前後に設定されています。これが最も誤解を生みやすいポイントです。「10tダンプ」と呼ばれていても積めるのは砂利・土砂で5〜6t程度が上限です。
容積でいうと約4〜5m³(立米)が標準的な荷台容積で、土砂・砂利・砕石の比重(1.5〜2.0t/m³前後)を掛け合わせると、重量での限界に先に達する計算になります。なお、ダンプの軸重(各車軸にかかる重量)と輪荷重の管理も道路通行上重要な要素です。
ユニック車(クレーン付きトラック)
クレーン装置(ユニック)の重量は2〜4tに達することもあります。10tトラックにユニックを搭載した場合、最大積載量は4〜7t程度に低下するのが一般的です。クレーン容量(吊り上げ能力)と最大積載量は別の概念であり、「5tクレーンが搭載されている=5t積める」という混同は絶対に避けてください。
ユニック車を選定する際は、クレーンの定格荷重・ブーム長・アウトリガーの展開スペースと、実質的な最大積載量の両方を確認することが実務上の鉄則です。
車種別の積載量・車両重量まとめ表
| 車種 | 最大積載量の目安 | 車両重量の目安 | 荷台容積の目安 |
|---|---|---|---|
| 大型平ボディ | 10〜11t | 6〜8t | 荷台形状による |
| 大型ウイング | 8〜10t | 7〜9t | 60〜80m³ |
| 大型箱型 | 8〜10t | 7〜9t | 60〜75m³ |
| 10tダンプ | 5〜6t | 10〜12t | 4〜5m³ |
| 10tユニック | 4〜7t | 9〜12t | クレーン仕様による |
※数値はメーカー・仕様・年式によって異なります。実際の車検証で確認することを推奨します。
10tトラックの最大積載量はどう計算されるのか

最大積載量は自由に決められる数値ではなく、道路運送車両法の規定に基づいて算出されます。計算のベースになる考え方を理解しておくと、なぜ同じクラスでも積載量に差が出るのかが納得できます。
積載量計算の基本的な考え方
最大積載量は、車両が安全に走行できる車両総重量の上限から逆算して決まります。
最大積載量=許容される車両総重量の上限-車両重量-(55kg×乗車定員)
許容される車両総重量の上限は、タイヤの負荷能力・サスペンション・フレーム強度などから算出され、最終的には型式認定の段階で国土交通省が確認します。つまり、車両が重くなればなるほど積載量は減るという単純な逆相関が成立しています。
ダンプやユニック車の積載量が平ボディより少ない理由はここにあります。荷台の構造物が重い分だけ、積める荷物の余地が削られるわけです。
軸重・輪荷重の制限も実務に影響する
道路への影響という観点では、車両総重量だけでなく軸重(各車軸にかかる重量)と輪荷重(各タイヤにかかる重量)も制限されています。
- 軸重の上限:1軸あたり10t(高速道路では一部緩和規定あり)
- 輪荷重の上限:1輪あたり5t
- 隣り合う車軸の間隔が1.8m未満の場合は合算軸重の制限が別途適用
特にダンプトラックで土砂を積む場合、後軸に荷重が集中しやすいため、最大積載量の範囲内でも積み付けの位置・偏りが軸重超過につながることがあります。重量だけでなく荷重バランスの管理が過積載防止の現場実務において非常に重要です。
増トン車とは?積載量との関係
「増トン車」という言葉を聞いたことがある方も多いでしょう。これは、標準的な中型トラック(4tクラス)のシャシーに、架装・補強を施して最大積載量を引き上げたトラックを指します。
たとえば4tベースの増トン車では最大積載量が6〜8t程度まで引き上げられることがあり、「10t近い積載量を中型シャシーで実現する」というニーズに応える存在です。ただし、車両総重量が11tを超えると大型免許が必要になるため、免許区分との整合性確認は必須です。「10t 増トン車 積載 重量」で検索されるユーザーの多くが、このボーダーラインを気にしているといえます。
10tトラックの車両スペック(寸法・高さ・総重量)

積載量と合わせて把握しておきたいのが車両の外形寸法と高さ制限の関係です。運行ルートによっては高さ制限や重量制限で通行できない道路があるため、物流担当者は車両スペックを複合的に理解しておく必要があります。
10tトラックの標準的な外形寸法
| 項目 | 標準的な数値 |
|---|---|
| 全長 | 11〜12m程度 |
| 全幅 | 2.4〜2.5m程度 |
| 全高(平ボディ) | 3.0〜3.5m程度 |
| 全高(ウイング・箱型) | 3.5〜4.0m程度 |
| 車両総重量 | 20〜25t程度 |
高さ制限と10tトラックの関係
日本の道路では原則として車両高さ3.8mまでが通行の基本基準とされています(道路交通法施行令第22条)。一般的なウイングや箱型トラックでは満載時に3.8m前後に達することがあり、特に高架下・トンネル・立体交差の通過には注意が必要です。
特殊車両通行許可申請(国土交通省の制度)を取得すれば一定条件のもとで超過が認められますが、許可なく制限を超えた場合は罰則の対象となります。10tトラックを日常的に運行する事業者にとって、高さ管理は積載量管理と同様に重要な業務領域です。
過積載が引き起こすリスクと罰則

最大積載量を守ることは、単なる法令遵守の問題ではありません。事故リスク・道路インフラへのダメージ・企業の信頼性、そして荷主への影響まで、複合的なリスクが連動しています。
過積載による安全リスク
過積載状態では制動距離が著しく伸び、カーブでの横転リスクが高まります。ブレーキへの負荷増大による制動力低下も確認されており、10tクラスのトラックが過積載で走行する場合の危険性は想像を超えるものがあります。タイヤのバーストリスクも高まるため、高速道路での走行は特に危険です。
過積載に対する法的罰則
道路交通法第57条に基づき、最大積載量を超えた積載は禁止されています。違反した場合の罰則は以下の通りです。
- 運転者:6か月以下の懲役または10万円以下の罰金(道路交通法第119条)
- 事業者(使用者):過積載を命じた場合は同様の罰則の対象
- 荷主:過積載要求が認められた場合は荷主への勧告・公表制度が適用される
2017年の貨物自動車運送事業法改正により、荷主への是正勧告・公表制度が強化されました。「運送会社が過積載してしまった」では済まず、積載量を無視した荷物量を要求した荷主側も法的に問われるようになっています。荷主企業の物流担当者がトラックの最大積載量を正確に把握すべき実務的な理由がここにあります。
過積載と道路損傷の関係
道路舗装の損傷は軸重の4乗に比例するという工学的知見(AASHO試験に基づく)があります。つまり、軸重が2倍になると道路への損傷は約16倍になる計算です。過積載トラックが繰り返し走行することによる道路インフラへのダメージは社会コストとして認識されており、これが軸重制限の技術的根拠でもあります。
10tトラック積載量に関するよくある疑問

Q:10tと15tのトラックは何が違う?
一般的に「15tトラック」と呼ばれる車両は、特殊車両許可を取得したうえで運行する大型車であることが多く、車両総重量が25t超に達するケースもあります。10tクラスとの主な違いは最大積載量だけでなく、軸数(3軸以上の多軸車)・全長・必要な通行許可の種類が変わってくる点です。通常の大型免許で運転できるかどうかも車両によって異なるため、個別確認が必要です。
Q:10tトラックと大型トラックは同じ?
ほぼ同義として使われますが、厳密には「大型トラック=車両総重量11t以上のトラック全般」を指し、最大積載量が10tの車両に限った呼称ではありません。たとえば最大積載量が8tでも、車両総重量が11tを超えれば法定上は大型トラックです。
Q:10tダンプの積載量はなぜ5〜6t程度なの?
前述の通り、ダンプ特有の油圧機構・荷台補強・後あおりの構造が車両重量を大きく押し上げます。結果として、車両総重量の許容上限から計算される最大積載量が削られます。「10tダンプなのに5tしか積めない」という感覚は、車種の特性を理解すれば自然に解消されます。
Q:積載量m³(立米)と重量トンの関係は?
容積(m³)と重量(t)は荷物の密度(比重)によって換算されます。たとえば水は1m³=1t、砂利は1m³でおよそ1.6〜1.8t、段ボール梱包の軽量品は1m³で0.1〜0.2t程度のこともあります。
重量(t)=体積(m³)×比重(t/m³)
実務では「重量マックス先行」と「容積マックス先行」のどちらが制約になるかを荷物の比重から判断し、積み付け計画を立てることが基本です。
荷主企業が知っておくべき積載量活用の実務ポイント

ここからは、荷主企業の物流担当者が10tトラックの積載量を実務で活用するうえでの視点を整理します。単に「10t積める車を手配する」ではなく、輸送コストの最適化と法令遵守を両立させるための考え方です。
積載効率の計算と混載・チャーターの選択
積載効率=実際の積載量÷最大積載量×100(%)で計算できます。業界平均では40〜60%程度とも言われており、空のスペースが収益機会の損失になっています。積載効率を高めるためには、混載便(複数荷主の荷物を同一車両に積み合わせる方式)の活用が効果的です。
一方、チャーター(1荷主専用の貸し切り輸送)は機密性・時間指定・特殊な荷扱いが必要な場合に向いています。どちらを選ぶかは荷物の性質・量・納期・コスト感の総合判断ですが、積載量に対する理解がなければこの判断自体ができません。
運送会社を選ぶ際に積載量情報を活用する
運送会社と契約する際、保有車両の積載量スペックは見積もりの精度に直結します。「10tトラック1台」という発注の仕方ではなく、「最大積載量10t以上の平ボディ1台、荷台長9m以上」などの条件指定が、認識の齟齬を防ぎます。
また、運送会社側がどのような車両を保有しているかを事前に調べるには、ハコプロのような運送会社検索サービスが役立ちます。ハコプロは6万件以上の運送会社を検索でき、車両形状・輸送品目・対応エリアで絞り込めるため、「10tウイングで温度管理対応の運送会社を首都圏で探す」といった具体的なニーズにも対応しています。
過積載要求のリスクを荷主企業として認識する
「もう少し積んでくれれば1台で済むのに」という荷主側の要求は、運送会社側を法的リスクにさらすだけでなく、荷主自身も勧告・公表の対象になり得ます。物流コスト削減の観点から積載効率を追求すること自体は合理的ですが、最大積載量という絶対的な制約の中での最適化でなければなりません。
2017年の貨物自動車運送事業法改正以降、荷主が運送会社に過積載を要求・誘発した場合、国土交通省から荷主への勧告が行われ、勧告に従わない場合は企業名が公表されます。調達・物流担当者はこの法的リスクを経営層と共有しておくことが重要です。
運送会社向け:10tトラックの積載量を活かした荷主開拓

運送会社の立場からすると、自社の保有車両の積載スペックを正確に荷主に伝えることが受注活動の基本です。しかし実務では「10tトラックあります」という情報だけでは荷主側に伝わりきらず、機会損失が生じているケースが多く見られます。
車両スペックを正確に開示することの重要性
荷主企業が運送会社を選ぶ際、最大積載量・荷台寸法・荷台容積・対応温度帯・特殊装備(ゲート・冷凍機・クレーン等)は意思決定に直結する情報です。これらを体系的に開示できる運送会社は、それだけで競合に対して優位に立てます。
特に平ボディの荷台寸法(長さ・幅・床面高さ)やダンプの積載量m³と重量tonを明記することで、荷主担当者が「自社の荷物が乗るかどうか」を即座に判断できるようになります。
ハコプロで車両情報を無料公開して直接契約へ
運送会社の情報発信に取り組みたいが、自社Webサイトのリニューアルやリスティング広告にかける予算がない、という中小運送会社は多いでしょう。そうした企業に活用されているのが、運送会社検索サービス「ハコプロ」です。
ハコプロでは、保有車両の形状・積載量・対応品目・対応エリアなどを無料で掲載でき、荷主企業から直接問い合わせを受ける仕組みになっています。登録料・掲載料・更新料はすべて0円で、文字数・写真枚数の制限もありません。多重下請け構造を脱して荷主との直接契約を目指す運送会社にとって、まず試すべき選択肢の一つです。
10tトラックの積載量に関するまとめ

この記事で確認した内容を整理します。
- 「10tトラック」とは業界通称であり、最大積載量が必ず10tになるわけではない
- 最大積載量は「車両総重量の上限-車両重量-乗員重量」で計算され、荷台構造が重いほど減少する
- 平ボディで10〜11t、ウイング・箱型で8〜10t、ダンプで5〜6t、ユニック車で4〜7tが目安
- 容積(m³)での制限と重量(t)での制限は別であり、荷物の比重によってどちらが先に限界を迎えるかが変わる
- 過積載は運転者・事業者・荷主の三者が法的責任を問われる可能性があり、荷主企業も無関係ではない
- 軸重・輪荷重の管理は道路法令上の義務であり、積載量だけでなく荷重バランスも重要
10tトラックの積載量は、荷主・運送会社双方にとって物流設計の根幹となる情報です。「なんとなく10t積める大型車」という認識から脱し、車種・仕様・荷物の特性を組み合わせた精緻な積載計画が、輸送コスト削減と法令遵守の両立につながります。
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