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積載率を上げる計算式と実践策|輸送コスト削減へつなげる視点

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積載率という言葉は運送業界では日常的に使われていますが、正確な定義や計算方法まで理解している方は意外と少ないかもしれません。トラック1台にどれだけ効率よく荷物を積めているかを示すこの指標は、燃料費や人件費の原単位に直結し、運賃交渉やドライバーの労働環境にも影響を及ぼします。国土交通省の統計では、日本のトラック輸送における積載率は長期的に低下傾向が続いており、業界全体の課題として位置づけられてきました。この記事では積載率の計算式から実際の統計、現場で積載率が上がりにくくなる背景、そして改善に向けた具体的な打ち手まで、運送会社や荷主企業の担当者が実務で使える形で整理します。

目次

積載率とは何か、計算式と混同されやすい言葉の整理

積載率を語るうえでまず押さえておきたいのが、算出方法と、似た言葉との違いです。数字の意味を正しく共有できていないと、現場で改善策を検討する際の議論がかみ合わなくなってしまいます。

積載率の定義と算出方法

積載率とは、トラックが積める最大の量に対して、実際にどれだけの荷物を積載できているかを示す割合です。算出方法には大きく分けて重量ベースと容積ベースの2種類があります。重量ベースの計算式は、実際に積載した貨物重量を最大積載量で割り、100を掛けたものです。たとえば最大積載量4トンの車両に3トンの荷物を積んだ場合、積載率は75%となります。

容積ベースの場合は、荷台の総容積に対して実際に積んだ荷物の容積が占める割合で算出します。軽量でかさばる荷物を多く扱う業態では、重量ベースの数値だけを見ていると実態を見誤ることがあるでしょう。取扱う貨物の性質に合わせて、どちらの計算式を主軸に置くかをあらかじめ決めておくことが望ましいと考えられます。

積載効率・実車率との違い

積載率とよく似た言葉に、積載効率や実車率があります。実車率は、走行した距離のうち荷物を積んで走った距離の割合を示す指標で、空車で走った距離が長いほど数値は下がります。積載率が1回の輸送における荷物の詰まり具合を表すのに対し、実車率は運行全体における空車の少なさを表すという違いがあるのです。

積載効率という言葉は、この両者を包括的に扱う場面で使われることが多く、文脈によって意味の幅があります。社内で数値を共有する際には、どの指標を指しているのかをすり合わせておくことが、後々の混乱を避けるうえで役立つはずです。

日本の物流における積載率の実態

積載率は個々の運送会社の努力だけで語れるものではなく、業界全体の構造的な課題として長年にわたり議論されてきました。ここでは公的な統計をもとに、現在の水準がどの程度なのかを確認していきます。

統計に見る積載率の推移

国土交通省の自動車輸送統計調査によると、トラック輸送における積載率は1990年ごろには約55%の水準にありました。その後は物流の小口多頻度化が進んだことなどを背景に低下が続き、2009年ごろには40%まで落ち込んでいます。近年も積載率はおおむね40%前後で推移しており、国が掲げる目標値である44%にはまだ届いていないというのが実情です。

時期積載率の目安
1990年ごろ約55%
2009年ごろ約40%
近年(現在)40%前後
国の目標値44%

国土交通省は、物流の効率化に向けて、トラック輸送における積載効率を44%まで引き上げるという目標を掲げています。

積載率が低いままだと何が起こるか

積載率が低い状態が続くと、同じ量の荷物を運ぶためにより多くの車両とドライバーが必要になります。1台あたりの輸送効率が下がる分、燃料費や高速道路料金、人件費といった原価が輸送量あたりで割高になり、結果として運賃全体を押し上げる要因になるでしょう。空車で走行する距離が増えれば、それだけ渋滞や事故のリスクにさらされる時間も長くなり、輸送量あたりのCO2排出量も増加してしまいます。

2024年問題と積載率の関係

2024年に施行されたトラックドライバーの時間外労働の上限規制は、輸送能力の不足という形で業界に大きな影響を与えました。限られた労働時間の中でこれまでと同じ輸送量をこなすには、1回の運行で運べる荷物の量、すなわち積載率を高めることが避けて通れない論点になっています。ドライバー不足が今後さらに深刻化すると予測されるなかで、積載率の改善は単なるコスト削減策ではなく、輸送力そのものを維持するための手段として位置づけられつつあるのかもしれません。

積載率が上がらない現場でよく見られる原因

積載率を数字として把握できていても、なぜ思うように上がらないのかが見えていない現場は少なくありません。ここでは典型的な要因を整理します。

片荷輸送と帰り便の空車

多くの運送会社では、行きは満載で走れても、帰りの便に積む荷物が見つからず空車のまま戻ってくる片荷輸送が常態化しています。特定の荷主との専属契約に依存している会社ほど、この傾向は強く出やすいものです。帰り便の空車をどう埋めるかは、積載率改善における最初の壁になりやすいポイントといえるでしょう。

多重下請け構造による情報の断絶

運送業界では2次請け、3次請け、時には5次請けや6次請けまで連なる多重下請け構造が珍しくありません。荷物の依頼が何段階もの仲介を経て流れてくると、実際に車両を動かす運送会社が荷主の要望や輸送条件を直接知る機会が減り、積み合わせの調整がしづらくなります。中間マージンが積み重なることで運賃も圧迫され、効率化に投資する余力そのものが乏しくなるという側面もあります。

荷姿や納品条件のばらつき

荷物のサイズや梱包形状がまちまちだと、荷台の空間に無駄なすき間が生まれやすくなります。納品先ごとに時間指定がばらばらな場合も、積み合わせの順番を工夫する余地が狭まり、結果として積載率を下げる要因になるはずです。荷主側の梱包基準や納品条件の見直しは、運送会社単独では解決しづらい領域であり、荷主と運送会社が情報を共有しながら取り組む必要がある部分だといえます。

積載率を高めるための具体策

積載率の改善は、車両や倉庫への設備投資だけで達成できるものではありません。荷主との関係づくりから日々の運行管理まで、複数の打ち手を組み合わせることで効果が出やすくなります。

求貨求車マッチングの活用

帰り便の空車を埋める代表的な手段が、求貨求車と呼ばれるマッチングの仕組みです。荷物を運びたい荷主と、空きスペースのある運送会社をシステム上でつなぐことで、これまで個人の人脈や電話連絡に頼っていたマッチングを効率化できます。荷主にとっても、直接運送会社とつながることで中間マージンを抑えられる可能性があり、双方にメリットが生まれやすい仕組みだといえるでしょう。

共同配送・混載という選択肢

単独では積載率を確保しづらい少量輸送でも、複数の荷主や運送会社が荷物を持ち寄る共同配送や混載を組み合わせれば、1台あたりの積載効率を引き上げやすくなります。競合関係にある企業同士であっても、同じエリアへの配送であれば協力の余地は十分にあるはずです。実施にあたっては、荷物の品質管理や配送順序の調整など、運用ルールをあらかじめ決めておくことが欠かせません。

車両選定とルート設計の見直し

荷物の特性に対して車両サイズが過大であれば、いくら丁寧に積んでも積載率は頭打ちになります。取扱う貨物の重量や容積の傾向を洗い出したうえで、車両区分を見直すことも有効な手段です。あわせて、複数の配送先をどの順番で回るかというルート設計を見直すだけでも、積み合わせの自由度が広がり、結果的に積載率の底上げにつながることがあります。

  • 求貨求車マッチングの活用
  • 共同配送・混載の導入
  • 車両選定とルート設計の見直し
  • 荷主との情報共有の強化

積載率向上が経営にもたらす効果

積載率を高める取り組みは、数字上の指標を改善するだけでなく、運送会社の経営そのものに影響を及ぼします。ここでは代表的な効果を見ていきます。

燃料費と人件費の原単位改善

同じ輸送量をより少ない車両とドライバーで運べるようになれば、輸送量あたりの燃料費や人件費、いわゆる原単位は下がります。特に燃料価格が変動しやすい時期には、原単位の改善が利益率を守るうえで大きな意味を持つでしょう。人件費についても、ドライバー1人あたりの生産性という観点で評価されやすくなり、待遇改善の原資を確保する余地が生まれます。

CO2排出量の削減

空車での走行が減れば、輸送量あたりのCO2排出量も自然と下がります。荷主企業のなかには、物流のCO2排出量を取引先選定の基準に組み込む動きも出てきており、積載率の高い輸送を提供できることが取引先として選ばれる理由の一つになる場面も増えていくと考えられます。

ドライバーの拘束時間短縮

積み合わせの効率が悪いと、荷待ちや積み下ろしにかかる時間が長引き、ドライバーの拘束時間が延びがちです。積載率を意識した運行計画を組むことで、こうした無駄な待機時間を減らせる可能性があります。労働時間の上限が厳しくなった今、拘束時間の短縮は法令順守と直結する経営課題でもあるといえるでしょう。

積載率改善に向けた実践ステップ

積載率の改善は一度の取り組みで完結するものではなく、段階を踏んで進めていく性質のものです。ここでは着手しやすい順に整理します。

STEP
現状の積載率を数値で把握する

改善の出発点は、感覚ではなく数値で現状を把握することです。車両ごと、路線ごとに積載率を記録し、どこにボトルネックがあるのかを可視化することから始めます。

STEP
荷主との直接契約・情報共有を広げる

多重下請けに依存する取引を減らし、荷主と直接つながる契約を増やすことで、納品条件や荷姿についての情報を得やすくなります。荷主側にとっても、実際に荷物を運ぶ運送会社の状況を把握できるという安心感につながるはずです。

STEP
デジタルマッチングを日常業務に組み込む

求貨求車のマッチングサービスを一時的な穴埋めとしてではなく、日々の配車計画に組み込む運用へと切り替えていきます。継続的に活用することで、帰り便の空車という慢性的な課題への対応力が高まっていくと考えられます。

積載率の改善はハコプロへの相談で前に進みます

積載率の改善には、自社内の工夫だけでなく、荷主や他の運送会社との新しいつながりが欠かせません。ハコプロは運送業に特化した運送会社検索サービスとして、掲載運送会社数6万件、営業所数8.5万件という規模のデータベースを持ち、荷主企業と運送会社の直接契約を後押ししています。掲載や利用にかかる費用は運送会社側で無料であり、情報更新の回数にも制限がありません。

ドライバーの年齢や社歴、運送にかける想いを紹介する「ドライバー名鑑」のような機能を通じて、荷主企業に自社の強みを伝えやすくなる点も特徴です。帰り便の荷物を探している運送会社や、信頼できる配送パートナーを探している荷主企業は、ハコプロを通じた直接契約という選択肢を検討してみてはいかがでしょうか。

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