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車のリミッター解除は違法なのか|大型トラックの規制と罰則リスク

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車のリミッターとは何か

車の「リミッター」とは、速度が一定値に達すると自動的にエンジン出力を制御し、それ以上の加速を抑える装置を指します。多くのドライバーが日常的に体感しながらも、その仕組みや設定速度の根拠を正確に把握している人は多くありません。まずは車に搭載されているリミッターの基本的な役割と、車種ごとの違いを整理します。

電子制御で速度を抑える仕組み

現在販売されている多くの車両には、エンジンを制御するコンピューター(ECU)が搭載されています。車速センサーが検知した速度が設定値に近づくと、燃料噴射量や点火タイミングを調整して出力を抑える仕組みです。アクセルを踏み込んでも、それ以上速度が伸びない状態になるのがリミッターの典型的な挙動といえます。

この制御はメーカーが安全性や耐久性を考慮したうえで工場出荷時に設定しており、通常のドライバーが意識することなく作動しています。

軽自動車と普通車で異なる設定速度

軽自動車は法規上の出力・排気量に関する制約もあり、リミッターは時速140キロ前後で作動するよう設定されているケースが一般的です。一方、普通車のリミッターは業界内の申し合わせに基づき、時速180キロ前後で作動する車種が多く見られます。

ただし、この数値はメーカーや車種によって幅があり、一律に定められた法律上の基準ではありません。ここが、後述する大型トラックの規制との大きな違いです。

大型トラックにリミッターが義務化されている理由

乗用車のリミッターが主にメーカーの自主的な設定であるのに対し、大型トラックのスピードリミッターは法律で装着が義務付けられています。この違いを理解するには、大型車特有の事故リスクと、規制導入に至った経緯を押さえておく必要があります。

2003年の法改正で始まった90キロ規制

国土交通省は2003年、車両総重量8トン以上または最大積載量5トン以上の大型トラックを対象に、時速90キロを超えて走行できないようリミッターの装着を義務付けました。新車だけでなく既存の車両にも装着が求められ、違反した場合は整備命令や車検不適合の対象になります。

高速道路での重大事故を防ぐという背景

この規制が導入された背景には、高速道路上で発生する大型トラックの追突事故が後を絶たなかった実情があります。重量のある車両が高速で衝突した場合の被害は乗用車同士の事故とは比較にならないほど大きく、社会的な要請として速度抑制が求められました。

規制導入後、大型車が関与する高速道路上の事故発生率には一定の改善が見られたと国土交通省の資料でも報告されており、リミッターは単なる規制ではなく事故防止策として機能してきたといえます。

リミッター解除・リミッターカットの方法と実態

ここまで見てきたリミッターに対して、意図的に制限を無効化する行為が「リミッター解除」あるいは「リミッターカット」と呼ばれています。速度が伸びないことへの不満や、より高い最高速度を求めるユーザーの間で古くから存在する行為ですが、その方法にはいくつかのパターンがあります。

ECUの書き換えによる解除

もっとも一般的な手法は、ECUに書き込まれた制御プログラムを専用機器で読み出し、速度制限に関する数値を書き換える方法です。いわゆる「ECUチューニング」の一種として、出力特性の変更とあわせて行われることもあります。

後付け機器や整備業者による対応

ECUへの直接的な書き換え以外にも、車速信号を偽装する装置を追加で取り付ける手法も存在します。対応をうたう整備業者の情報も一部で見つかりますが、後述するとおり、対象となる車両によっては違法行為に該当する点に注意が必要です。

リミッター解除は法的にどう扱われるのか

「車 リミッター解除」というキーワードで検索する人の多くが気になっているのは、この行為が違法にあたるのかどうかという点でしょう。結論から述べると、対象車両によって扱いは大きく異なります。

大型トラックの解除は保安基準違反にあたる

法律で装着が義務付けられている大型トラックのスピードリミッターを無効化する行為は、道路運送車両の保安基準に違反します。国が定めた基準を満たさない状態で公道を走行することになるため、発覚した場合は整備命令や車検の不適合、最悪の場合は運行停止の処分を受ける可能性があります。

車検不合格や整備命令のリスク

車検の際にリミッターの作動状況を確認された結果、不正な改造が発覚するケースも報告されています。整備命令に従わず違反を続けた場合、事業用車両であれば運送事業者としての行政処分に発展するおそれもあり、経営面への影響は決して小さくありません。

任意保険が適用されない可能性

リミッター解除によって速度超過中に事故を起こした場合、改造による法令違反が保険会社に確認されると、任意保険の補償対象から外れる可能性があります。車両保険や対人・対物補償が受けられなければ、事故の当事者だけでなく、荷主や周囲の被害者への補償にも支障をきたしかねません。

リミッター解除が招く事故リスクと業界への影響

法的なリスクに加えて、リミッター解除には車両の物理的な安全性を損なう側面もあります。速度域が変わることで生じる負担は、想像以上に大きいものです。

制動距離の増加とタイヤへの負担

速度が上がるほど制動距離は大きく伸びます。大型トラックのように車両重量が大きい車種では、想定より高い速度域での走行がブレーキやタイヤの摩耗を早め、バーストや制動不良のリスクを高める要因になります。

もともと90キロ走行を前提に設計された足回りやブレーキシステムを、それ以上の速度域で使い続けることは、部品の耐久性を超えた負荷をかけ続けることにほかなりません。

運送業界全体の信頼にかかわる問題

大型トラックによる速度超過事故が報道されるたびに、運送業界全体のイメージに影響が及ぶことも見過ごせません。一部のドライバーによる違反行為であっても、荷主企業からは運送会社全体の安全管理体制として評価される場面が少なくないためです。

安全なコンプライアンス体制とハコプロへの相談

リミッター解除のリスクを踏まえると、運送会社にとって重要なのは、車両を法令に沿った状態で維持し、それを取引先である荷主企業に対して明確に伝えられる体制を整えることです。

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